日中の国民同士の相互理解を訴える宮本さん＝１０月２７日、瑞穂市の朝日大で

　岐阜県日中友好協会が、瑞穂市の朝日大で講演会を開き、元駐中国大使（２００６〜１０年）の宮本雄二さん（７２）が「台頭する中国、激変する世界、日本の立ち位置」をテーマに語った。

　日中平和友好条約締結４０周年、県・江西省友好提携締結３０周年を記念した。宮本さんは、先の安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の首脳会談に触れ、「今回の安倍訪中で日中関係は安定期に入り、発展していく」との見方を示した。

　米トランプ大統領の対中政策を批判し、米中関係を世界情勢の懸念要素とした。日本外交の最大の課題は「米中が衝突しないよう努めること」だとして、日中の国民同士の相互理解が不可欠と主張した。「両国の国民がもっと近づき、交流するようになった時、日中関係は本当の意味で安定したといえるようになる」と語った。（長崎高大）

（2018年11月2日　中日新聞朝刊岐阜・近郊版より）