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大学野球  2018.03.22

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広島・広陵高から中京大進学・・・貢献誓う 松岡木製バットに苦戦

中京大の松岡=豊田市の同校で(平野梓撮影)

中京大の松岡=豊田市の同校で(平野梓撮影)

■愛知大学野球1部6校に新戦力178人

 愛知大学1部リーグの6校に今春、選手178人が新戦力として入部する。昨夏の甲子園で準優勝した広陵高(広島)から、三塁手の松岡直輝(18)が中京大に入る。高校時代の大半は控えに甘んじていたが、甲子園直前にスタメンを勝ち取った意地を、大学でも見せる。

■「早く慣れたい」

 ボールがバットに当たるたびに両手に痛みが走る。今まで使ったことのない木のバットは、なかなか慣れない。松岡は「少しでも詰まったら折れるんじゃないかって恐怖もある。まだ思い切り振れません」と苦笑する。しかし1日でも早く試合に出たい、という気持ちは隠さない。「早く大学のレベルに慣れて勝利に貢献したいですね」。挫折からのスタートは高校時代と同じだった。

 もとは捕手で中学時代はシニアの全国大会にも出場。肩に自信があったが、広陵高入学直後にその鼻がへし折られた。昨年、広島にドラフト1位で指名された中村奨成は、キャッチボールを見ただけで差が分かった。

 「送球がまるでピストルみたいで、ちょっとレベルが違った。中村がいる限り捕手で試合には出られないな、と」。監督に1年の終わりごろに内野手への転向を勧められた時も、妙に納得してしまった自分がいた。

 3年夏の広島大会まで背番号「13」で守備固めで途中出場することが多かった。レギュラーの三塁手がやる気のないプレーを見せたことで、その大会の決勝からスタメンに定着。甲子園で背番号「5」となり、7番打者で出場。準々決勝の仙台育英戦で3安打2打点を稼いで勝利に貢献した。ただ何よりも誇れるのは全6試合で無失策だったこと。内野手転向後は遊撃手、二塁手も経験し、様々な打球を捕ってきたことが生きた。

■捕手に少し未練

 現在は内野手として練習に入ることもあるが、捕手に戻りたい気持ちもある。「大体、どの野手の気持ちも分かっているんで。守りやすいテンポとか、エラーしたときの気持ちとか。捕手だけやっていたら気付かなかったことですね」。成長できた高校での3年間。その誇りを胸に新たな舞台に立つ。 (平野梓)

▼松岡直輝(まつおか・なおき) 1999(平成11)年8月4日生まれ、広島県福山市出身の18歳。168センチ、67キロ、右投げ右打ち。小学2年で松永ソフトボールクラブに入り、中学から尾道リトルシニアで野球を始め、捕手を務めていた。広陵高で内野手に転向し、3年夏にスタメンに定着した。

(2018年3月22日 中日スポーツ10面より)

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