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中日新聞掲載の大学記事

2017.05.28

愛知大学野球 春季リーグ 中部大 5季ぶり3度目 風岡鮮やか9回逆転3ラン

 中部大が名城大に7−3で勝って2014年秋以来5季ぶり3度目の優勝を決めた。1点を追う9回無死1、3塁に風岡壮汰内野手(3年・中部大春日丘)の左越え3ランで逆転し、さらに2点を奪った。全日本大学野球選手権(6月5日開幕・神宮、東京ドーム)に出場し、初戦は6日、近大工学部(広島6大学)と戦う。

■ミス取り返す

 高々と上がった打球が左翼フェンスを越えた瞬間、中部大ベンチの盛り上がりが最高潮に達した。9回無死1、3塁、風岡が逆転3ランを放ち、打のヒーローとなった。

 プロ野球オリックスのコーチを父に持つ風岡はこの直前、優勝目前という重圧にのまれていた。1ボールから、盗塁のサインに気付かずファウルを打ってしまった。堀田崇夫監督(43)に一喝され、肩をたたかれた。普通は落ち込むところだが「自分は逆に開き直れた。やってしまったことは仕方ない、と」。直後にきた高めの直球を芯で捉え、夢を力強く引き寄せるアーチを描いた。

 第3週の中京大との2回戦から、先制されても終盤で取り返す試合を続けた戦いぶりはまさに「逆転の中部」。この日も序盤に3点を先行され、5回を終えて2点差。主将の纐纈甲太朗捕手(4年・関商工)をはじめ、ナインは「2点ビハインドは自分たちの勝ちパターン」と前を向いた。その纐纈が9回、逆転の後に2ランで突き放し、勝利を確実とした。

 昨春から走者と守備をつけ、打者が状況を考えながら投手のボールを打つ、実戦に近い打撃メニューを取り入れた。1人の打者が1日の練習で打席に立てるのは、多くても4回。「その分、一球に集中しなくちゃいけないし、どんな状況でも対応できる力がついた」と堀田監督は実感する。

 初出場した2008年以来の全日本大学野球選手権。日々の練習で培った粘り強さが大舞台の扉を開いた。

 (平野梓)

■名城大また涙・・・

 昨春、昨秋に続いて優勝争いに敗れた名城大の安江監督は「取れるところで点が取れなかったのが敗因。優勝争いには残るんだけど、その先にいけない・・・」とうつむいた。4回にはスクイズ失敗もあり、後半は得点できなかった。
 逆転3ランを浴びた右腕・宮津も「メンタル面で弱さが出た。正直、なんとも言えません・・・」と暗い表情だった。

■連敗しても勝率で中部大が上

 最終節を前に優勝の可能性があったのは対戦する両チームだけ。第1戦を制した勝ち点4の中部大は残り試合で連敗しても9勝3敗で勝率7割5分。名城大は連勝して勝ち点4で並んでも、8勝4敗の勝率6割6分7厘で及ばない。

▽1回戦(中部大1勝)
中部大 000010015―7
名城大 201000000―3
本塁打 風岡、纐纈(以上部)工藤(城)

(2017年5月28日 中日スポーツ8面より)

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