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中日新聞掲載の大学記事

2017.04.01

全日本大学野球選手権連覇へ 貫く「エンジョイ」 中京学院大 入部希望者が倍増

 昨年6月に開かれた全日本大学野球選手権大会で、初出場初優勝を成し遂げた中京学院大硬式野球部(中津川市)。大学日本一となったことで、今春の入部希望者がこれまでより倍増。新年度は部員161人となり、1日に春季リーグ戦初戦を迎える。それでも、掲げるスローガンは昨年までと同じ「エンジョイベースボール」で、日本一連覇に挑む。(篠塚辰徳)

 昨年の全日本選手権では、過去の優勝校などを相手に快進撃を重ね、大会初出場で快挙を達成した。地方の私立大の快挙に、地元も沸いた。

 今春卒業した主力選手のうち、大会前から注目を集めていた吉川尚輝内野手がプロ野球・巨人にドラフト1位で入団したほか、大会全試合に登板したエース左腕柳川優太選手が東邦ガス(名古屋市)、大会首位打者で最高殊勲選手に輝いた山崎善隆捕手は三菱重工広島(広島市)と社会人の強豪チームに入った。

 柳川選手と山崎選手は、ともに家庭の事情などで高校卒業後は野球をやめて就職することを考えていたが、近藤正監督(69)やコーチらの勧誘で進学。週5、6日アルバイトをしながら学生生活と野球を続け、大学日本一に貢献した。2人とも「プロ野球選手に憧れて野球を始めた。2、3年以内にはプロ入りしたい」と目を輝かせて語る。大学で野球を続けたことで夢がつながった。

 高校球児からの注目度も上がり、新入部員が様変わりした。これまで近藤監督の人脈を中心に部員を勧誘していたが、入学希望の問い合わせが殺到した。今春の新入部員の出身校は北海道から沖縄県まで幅広く、系列の中京や大垣日大といった県内のほか、花巻東(岩手県)や宇治山田(三重県)など県外の甲子園常連校出身者も。近藤監督は「こんなこと今までなかった」と素直に喜ぶ。

 しかし、授業優先、練習は1日3時間の「エンジョイベースボール」の方針は変えないという。「練習時間は短くてもきっちり集中すれば短時間で十分。高校で基礎はできているから、大学では好きな野球を楽しくやってもらうだけ。もちろん連覇を狙いますが」と誇らしげに話した。

(2017年4月1日 中日新聞朝刊岐阜総合版より)
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