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中日新聞掲載の大学記事

2017.01.13

名市大に先端医療研修拠点 国内最大規模 献体で手術鍛錬

 名古屋市立大は、同市瑞穂区の桜山キャンパスに先端医療技術イノベーションセンターを開設した。献体(遺体)を使い内視鏡による手術などの技能向上を図る研修用のサージカルトレーニングルームを設けた。献体を使う研修施設では国内最大規模といい、2月に稼働予定。12日、報道各社に公開された。(室木泰彦)

 患者負担が少ない内視鏡を使った手術が増え、従来方法より難易度が高く医療事故防止が課題。国が進める技能研修の拠点づくりの一環で整備された。

 同センターは、付属病院に隣接する医学部基礎教育棟6階。400平方メートルのスペースに献体100体を収容できる保管室と、手術台5台分を同時に並べられるトレーニングルームを設けた。整備費は約1億5000万円。内視鏡機器2機、X線透視装置などを配備。切除手術、背骨の変形を治す手術などのトレーニングを複数同時に行える。

 同大によると、献体を使う手術研修専用施設は全国2番目で、規模は最大。同大の医師もこれまで、学生が使う解剖実習室の空き時間に献体で練習していたが、専用ルームでは回数を増やし、最新設備を使う実際の手術室に近い環境で質の高い練習が可能になる。

 中部地方の研修拠点だが、エリア外も受け入れる方針。献体を使う練習を通じ、新たな治療法開発、医療機器の開発にもつなげる考え。植木孝俊センター長は「難しい手術が増え、立ち会うだけで学び取るのは容易でない。手術練習後に解剖分析し技能を深めることもできる」と話す。

(2017年1月13日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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