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中日新聞掲載の大学記事

2016.09.22

愛知大学野球 秋季リーグ 5日がかりの戦い制した 勝ち点呼ぶ二塁打 名城大 山口

■不調にあえいだ元主砲 意地の一振り

 名城大は9回、先頭の山口和也捕手(3年・藤井学園寒川)が右中間二塁打を放ち、スクイズの勝ち越し点を呼び込んで愛院大に3−2で勝利。2勝1敗で勝ち点2とした。

■同点の9回に突破口

 久々に手応えのある当たりだった。9回、名城大先頭の山口が、初球の真っすぐを右中間へはじき返した。打球が深々と左中間を破る間、一気に二塁へ。「走ったのも久しぶり。すごい気持ちがよかった」。元4番打者の意地を見せた一振りが、流れを変えた。

 4回の藤野の同点ソロ以来、両投手が一歩も引かず互いに0行進が続いた。山口の二塁打で突破口を開いたこの回は犠打で1死三塁とした後、山田のスクイズで貴重な1点をもぎ取った。山口は三進後に代走を送られたが「今まで迷惑をかけまくっていたんで。何よりやっと1本出たのがうれしい」と目を細めた。

 入学直後は準硬式でプレーしていたが、物足りなさを感じて1年夏に硬式野球部に移った。4番に定着した2年秋、いきなりベストナインに輝き、続く昨季も4割近い打率を残し、チームにとってなくてはならない存在に。今季も開幕から4番に座ったが、最初の日本福祉大戦3試合で無安打。今週は7番に打順を落とした。山口の不調に呼応するように、打線が湿り苦しい接戦が続いた。

 雨天順延が2日あり3回戦へもつれ込んだ5日がかりの戦いを制した。雨で中1日ずつ空いた今週は、崩していた打撃フォームの修正に時間を費やすことができた。「ちょっとずつ調子は上がっている。何番を任されても、自分が引っ張っていく気持ちは一緒」。復調の兆しを見せた元主砲。打線にもいい影響を与えそうだ。 (平野梓)

■栗林 自己最速153キロ&12K完投

 名城大のエース右腕・栗林が1回にいきなり、自己最速を塗り替える153キロを球場のスピードガンでたたき出した。その後も何度も150キロ台を計測し、9回最後の打者に151キロをマーク。12奪三振、自責点1で完投し、今季3勝目を挙げた。

 リリーフに4年生右腕・浅川も控えていたが、「今まで助けてもらっていたし、リーグは長いので休んでもらいたかったので」とマウンドを譲らなかった。

■最後の甘さ悔やむ 愛院大・本田

 僅差をものにできなかった愛院大の4年生右腕・本田。1部昇格を果たしたばかりの今季は、開幕から2カードを落とし、まだ勝ち点を得ていない。「もう後がない。次からは1試合も負けられない」と覚悟を込めた。この夏に自己最速の147キロをマークし、プロのスカウトも注目している好素材だが、進路は社会人球界と決めている。この日も146キロを出すなど速球で押したが、「最後に甘さが出た」と悔やんだ。

 ▽3回戦(名城大2勝1敗)
名城大 100100001―3
愛院大 101000000―2
本塁打 藤野(城)

(2016年9月22日 中日スポーツ11面より)
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