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中日新聞掲載の大学記事

2016.05.21

名古屋造形大・藤田さん考案 津島の銘菓グッズ化

 津島市の津島神社門前で売られている伝統的な菓子「あかだ」と「くつわ」が、食品サンプルとして一つのキーホルダーになった。市の依頼を受けた名古屋造形大(小牧市)の学生のアイデアで、大きさや見た目も本物そっくりとなった。食品サンプルは若者や外国人観光客に熱狂的な愛好家がいるといい、非売品ながら地域特産の「珍品」として注目されるかもしれない。(南拡大朗)

 球状の「あかだ」と輪形の「くつわ」は、ともに練った米粉を植物油で揚げた菓子で、江戸時代から神社参拝者の土産品として知られていた。現在、神社門前の3軒が製造と販売を受け継いでおり、「日本一を争う硬い菓子」として話題に上ることもある。

 昨年6月、市と名古屋造形大がさまざまな分野で連携・協力する協定を結んだことを機に、市が新たな「観光グッズ」の開発を大学側に依頼し、34点の提案が寄せられた。

 もともと業務用だった食品サンプルは近年、若い女性らに収集品としての人気が出て、キーホルダーや携帯電話のストラップといったさまざまな商品が売り出されている。外国人観光客の間でも、日本独特の土産物として人気が高い。

 あかだとくつわがセットになったキーホルダーを考案した同大造形学部グラフィックデザインコース4年の藤田みなもさん(22)=春日井市上条町=も、小学生のころから食品サンプルをコレクションしたり、粘土で自作したりしてきた根っからのファンの一人だ。19日、津島市役所に日比一昭市長を訪ねて、完成を報告した。

 藤田さんは「かりんとう程度の硬さを想像していたが、想像以上で、本当に硬くてびっくりした」と話し、「菓子を知っている人は喜んでくれると思うし、変わった形なので知らない人も興味を持ってもらえるのではないか」と語った。

 観光グッズでは他に、尾張津島天王祭のまきわら船などをかたどったキーホルダーを考案した同コース4年の山田雄輝さん(21)=名古屋市港区=の案も採用された。

 市は今回、「地方創生」交付金から220万円を充て、名古屋市のメーカーに「あかだ・くつわ」「尾張津島天王祭」各1000個を発注した。10月に同市で開催予定の県観光交流サミットや、市制施行70周年記念行事などで関係者に配布し、津島の観光PRに役立てる。一般への配布や販売の予定はない。

(2016年5月21日 中日新聞朝刊近郊総合版より)
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