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中日新聞掲載の大学記事

2016.05.18

東海地区大学野球 岐阜学生リーグ 吉川 12球団スカウトにアピール打

■打率5割1分1厘、12打点で2冠 三冠へ1本差

 今秋ドラフト1位候補の中京学院大・吉川尚輝遊撃手(4年、岐阜・中京)が17日、岐阜市の長良川球場であった東海地区大学野球岐阜学生リーグ・岐阜経大戦の1回戦に3番・遊撃でスタメン出場。同リーグでは異例と言える12球団47人のスカウトが見つめる中、5打数2安打1打点と活躍。チームも6−1で先勝し、昨春以来2季ぶり3度目のリーグ優勝に王手をかけた。

■2安打1打点

 大挙集まったスカウトの前でも動じなかった。吉川が2安打1打点の活躍で優勝に王手をかけた。第1打席に左前打を放つと、9回の第5打席は無死一塁から左中間を破る適時二塁打。左打席から逆方向に2本の快打を放った。18日の2回戦に勝てば優勝が決まる。

 「優勝することが大前提。きょうは貢献することができたと思います」と吉川。チーム優先の言葉を並べたが、個人タイトル争いでもトップを快走中。打率5割1分1厘、12打点は現在リーグ2冠。1本塁打もトップと1本差だけに、三冠王の可能性を残している。

 長良川球場に集結したスカウトはソフトバンクの9人を筆頭に阪神の7人など全12球団47人。平日のため他地区に注目カードが少なかったことも影響しているが、甲子園でも神宮でもない地方リーグとしては異例中の異例。今年の目玉である創価大・田中の開幕戦時の45人を上回った。

 試合は朝方まで降った雨の影響で開始が1時間半遅れた。時間短縮のため試合前のノックを行わないことも検討されたが、注目度の高さを考慮して予定通り実施された。中日も将来のレギュラー遊撃手になりうる逸材を3人態勢で視察した。

■試合に集中できた

 「足は速いし、肩も強い。体に力もある。センス、素材は申し分ない。魅力を感じる」と中田スカウト部長。50メートル5秒7の俊足と柔らかな守備が光る。打撃の評価も上昇中だ。吉川は「(スカウトが)たくさん来ていたので、結果を残さないといけないと思った。試合前は意識したけど集中できた」と胸を張った。

 2回戦も勝てば勝ち点5。全カードで勝ち点を挙げる完全優勝が決まる。「勝ちに行って、優勝を決めたい」。吉川のバットがたぐり寄せる。 (麻生和男)

▽巨人・山下スカウト部長「トップクラスのショート。あの守備は魅力がある。足も抜群だし、打撃は合わせただけでも打球が伸びる。走攻守がそろっている」
▽楽天・長島スカウト部長「プロでショートのレギュラーを張れる素材。あとはプロでキャリアを積ませるだけ。積ませたいと思わせるだけのものを持っている」
▽DeNA・吉田スカウト部長「バットコントロールはいいし、守備も足もいい。騒がれるだけのことはある。(1位指名の)12人に入ってくる素材です」

▼吉川尚輝(よしかわ・なおき) 1995(平成7)年2月8日生まれの21歳。岐阜県羽島市出身。177センチ、79キロ、右投げ左打ち。小学1年で桑原スポーツ少年団で野球を始め、中学では羽島フジボーイズでプレー。岐阜・中京高では1年夏に三塁手のレギュラーとなり、同秋から遊撃手。3年夏の岐阜大会4強が最高成績で甲子園出場経験はなし。中京学院大では1年春からレギュラー。タイトルはベストナイン(1年秋、2年春)、首位打者(2年春)、盗塁王(2年春秋、3年春)。2年時に大学日本代表の候補に選ばれた。

◇1回戦(長良川)
中京学院大 020001003―6
岐阜経大 000000001―1
(中)柳川−山崎
(岐)与座、上原−毛利、千田
本塁打 楠(中)

◇東海地区大学リーグ最終週第1日(長良川)
▽1回戦
中部学院大11−0朝日大

(2016年5月18日 中日スポーツ10面より)
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