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中日新聞掲載の大学記事

2016.05.17

愛知大学野球 中京大 36度目V

 1部の第7週第3日は16日、愛知県の春日井市民球場で3回戦2試合を行い、中京大が名城大に3−2で勝って2勝1敗とし、勝ち点4で2季連続36度目の優勝を果たした。中京大は全日本大学選手権(6月6日開幕・神宮など)に7年ぶりに出場する。勝ち点3の名城大の2位も確定。

 中京大は5回、浜口(4年、愛知・中京大中京)の右前適時打などで2点を先制。6回に追い付かれたが、8回に寺本(2年、三重・海星)の適時二塁打で勝ち越した。

 日福大は愛産大に5−4で勝ち、勝ち点2とした。

■層の厚さ 伏兵証明

 試合が終わると、すぐにマウンド付近で歓喜の輪ができた。苦しい試合の連続。中京大の半田監督、選手たちの涙腺は自然に緩んだ。突出した選手はいない。まさに全員でつかんだ優勝だった。

 試合を決めたのは伏兵寺本だった。2−2の8回2死二塁で勝ち越しの二塁打。「2球続けて変化球が低めに外れたので、真っすぐでカウントを整えてくる」。3球目は読み通りの直球。左打席から素直に左中間へはじき返した。

 リーグ戦は初先発。今季はそれまで1打席に立っただけで、名城大との1、2回戦はベンチ入りもしていなかった。半田監督は「指名打者で使った選手に当たりがなかった。寺本はもともと打力はある」と起用の理由を明かし、選手層の厚さを見せつけた。昨季はチーム打率3割2厘の打線でリーグ戦を制した。今季は打力が落ちると覚悟していた上に5、6番を予定していた選手が故障で戦線離脱。チーム打率は2割1分9厘まで落ち込んだ。8勝のうち安打数が相手より多かったのはわずか3試合だった。

 「少ない安打をどう得点に結び付けたのか」を解く鍵は3月からの打撃練習にあった。打者は「1死二塁」など自ら想定した場面をチームメートに明かす。右打ちが必要なときは、どんなにいい当たりでも左方向への打球は評価されない。

 川上主将(4年、岐阜・大垣南)は「理屈では分かっていても、いきなり試合でできるはずがない」と練習の成果を強調する。場面に応じて臨機応変に対応。昨季のような迫力はないが、相手に嫌がられるチームに変貌していた。 (東郷賢一)

■名城大 9回の好機逃す

 名城大は1点を追う9回1死満塁の逆転サヨナラの好機で無得点に終わった。20季ぶりの優勝が消えた瞬間、その場で崩れ落ちる選手たちの目には光るものがあった。開幕直前の4月1日付で就任した安江監督は「負けたのは新米監督の責任」と選手をかばった。

 5回に先制をされたが、6回に3安打を集中して追い付く粘りは見せた。「そこで崩れないのが中京大。学ばないといけない」と優勝校に敬意を表した。秋季リーグで雪辱するため、本格的なチームづくりに着手する。

▽春日井(中京大2勝1敗)
中京大 000020010―3
名城大 000002000―2

▽同(日福大2勝1敗)
日福大 100010030―5
愛産大 000030010―4

(2016年5月17日 中日新聞朝刊22面より)
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