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中日新聞掲載の大学記事

2016.05.04

宇宙航空理工学科 中部大が新設準備

 中部大(愛知県春日井市)が2018年度、工学部に「宇宙航空理工学科」を新設する準備を進めていることが分かった。同大が立地する春日井市は、国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の生産開発拠点の同県豊山町に隣接。地の利を生かし、航空機製造現場のリーダーを担う人材育成を掲げ、来年4月にも文部科学省に学科新設を申請する。

 同大によると、中部6県(愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀)の大学で航空宇宙関係の学科があるのは名古屋大だけ。

 愛知県を中心に航空宇宙産業の企業が集積し、国から国際戦略総合特区に指定されている。MRJや米ボーイング787が今後量産される見通しのため、自治体や企業でつくる特区の推進協議会は20年度の目標として、生産高は13年度比3100億円増の1兆1800億円、雇用者数は同6400人増の2万5000人と設定している。

 宇宙航空理工学科の新設はこうした目標を見据えての計画で、定員は1学年80人。教育課程には制御理論や流体力学、材料力学といった専門知識の習得に加え、地元企業での職場実習も盛り込む。名古屋大が指導的な役割を果たす技術者や研究者を養成するのに対し、現場の工場で生産管理部門に関わる人材の育成をもくろむ。

 中部大では山下興亜(おきつぐ)学長をトップとする委員会を設け、教育課程の検討や教員選びを進めており、愛知県産業振興課次世代産業室の担当者は「今後、機体の製造を担う人材がさらに求められてくる」と中部大の動きに期待。山下学長は「地域産業の発展を支えるのが大学の役目。製造現場で技術者をまとめ上げるエンジニアを輩出したい」と語る。

(2016年5月4日 中日新聞朝刊1面より)
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