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中日新聞掲載の大学記事

2016.04.26

愛知大学野球 愛産大15季ぶり勝ち点2

 愛産大が名城大に1−0で雪辱し、勝ち点2とした。延長10回1死三塁、安藤佑斗捕手(4年・愛産大工)が勝ち越しのスクイズを決め、リーグ戦3度目の先発だった右腕今村勇刀(2年・九州国際大付)が直後の1死満塁のピンチを併殺で切り抜け、完封勝ちした。

■鮮やか併殺斬り

 何が何でも走者をかえす訳にはいかない。今季昇格したばかりの愛産大の今村が延長10回、1死満塁の窮地に陥った。打席には1回に二塁打された名城大の左打者、山田。フルカウントまで粘られたが一歩も引く気はなかった。「ここまできたらやるしかない」。7球目。右横手からこん身の直球を外角低めに決め、三ゴロ併殺打に。直前に奪った1点を守り切った。

 1年生だった昨年はリリーフ専門。勝率制で1カード2戦だった2部から、勝ち点制の1部に昇格して3戦目の先発が必要となり任された。だが立ち上がりや終盤に粘れず、すでに2敗。この日は1回戦でリリーフし、3イニング無失点に抑えた経験を生かした。持ち味の制球力で外角のストライクゾーンを広く使い、緩い変化球で緩急を効かせ、打たせて取った。

■横手投げで変身

 九州国際大付高で日本ハムの清水、ソフトバンクの古沢と同期。2人が中軸となって3年夏の甲子園に出場したが、今村はベンチ入りできずスタンドから応援する側に。当時は上手投げだったが、173センチと上背もなく真っすぐも130キロ程度で簡単に打たれていた。自分を変えたかった。大学入学に向けて横手投げに転向。ボールが変則的にシュート回転し、大きな武器となったという。

 チームは2008年秋以来15季ぶりの勝ち点2を獲得。中京大、名城大と勝ち点で並び優勝の可能性もある。「ぼくも大舞台に立ってみたい」。あの夏、行けなかった全国舞台へ。気持ちが高まっている。 (平野梓)

■10回途中まで零封 名城大・浅川

 名城大はリーグ戦初先発の浅川が10回途中までを、最速144キロの真っすぐでグイグイ押し、2安打無失点に抑えた。9回先頭に三塁打を許した時に左ふくらはぎがつってしまったが、粘りの投球で走者を本塁にかえさなかった。

 10回先頭に四球を出したところで限界を感じて降板。初勝利はお預けとなったが「悔しいけれど、ここまでやれたことは自信になった」と笑顔を見せた。

▽3回戦(愛産大2勝1敗)
愛産大 0000000001―1
名城大 0000000000―0
(延長10回)

(2016年4月26日 中日スポーツ11面より)
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