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中日新聞掲載の大学記事

2015.12.30

尾張万歳 数十年ぶり新作 3日、徳川園で公演 社中の新人4人、初舞台

 国の重要無形民俗文化財「尾張万歳」を受け継ぐ尾張万歳今枝社中(東区山口町)が、東区の徳川園で1月3日に開く新春公演に向けて練習に励んでいる。今年新たに加入した年長児から大学生までの男女4人が初舞台を踏むほか、尾張万歳として数十年ぶりとなる新作「御笑(おわらい) 曽我の対面」を初披露する。(奥村圭吾)

 「2016年、あけましておめでとうございます。よーおっ、はっ」。27日夜、メンバー10人が社中を主宰する今枝増笑門さん(52)の自宅で鼓や舞を練習した。「鼓はもう少し遅くたたいて」「もっと和やかな表情を出して」。今枝さんの指導で、何度も調整を繰り返す。

 初舞台を踏む新人4人は、斎藤武玄(たける)君(6つ)=岐阜県八百津町、蒔田歩夢(あゆむ)君(12)と妹の采佳(あやか)さん(9つ)=中区、南山大1年の伊藤春風(はるか)さん(19)=中川区。現役女子大生として初のメンバー入りを果たした伊藤さんは「中学、高校時代に剣道や和太鼓に打ち込み、和の文化への興味が広がった」と理由を語る。

 初披露する「御笑 曽我の対面」は、ある兄弟が正月の祝いの席で親の敵討ちを画策するという歌舞伎の演目を題材に、今枝さんらが創作。鼓、三味線、胡弓(こきゅう)の3つの楽器で華やかさを演出する三曲万歳だ。ほかに、現在の漫才の原形ともいわれる「門付万歳」なども披露する予定で、今枝さんは「最高の万歳で会場中に福を呼び込みたい」と意気込む。

 新春万歳は午前11時からと午後2時からの2回公演。観覧無料。徳川園の入場料は高校生以上300円、市内に住む65歳以上の高齢者は敬老手帳を提示すると100円。(問)尾張万歳今枝社中=080(1615)2758

 ▼尾張万歳 700年以上前の鎌倉時代に長母寺(東区)で発祥したとされ、2人1組で行う現在の漫才の原形といわれる。江戸時代から戦前までは、正月などの祝い事の際に個人宅の門前や座敷で盛んに演じられた。

(2015年12月30日 中日新聞朝刊市民版より)
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