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中日新聞掲載の大学記事

2015.07.17

体験談胸に役作り 「豊川空襲」劇 稽古に熱

 豊川海軍工廠(こうしょう)(豊川市)に勤労動員された女学生たちを軸に、終戦末期と現在を重層的に描く群像劇「嗚呼(ああ)、青春の花は咲く」が、空襲があった8月7日から3日間、豊川市文化会館で上演される。同館で通し稽古などがあり、団員たちが熱のこもった演技を見せた。(久間木聡)

 海軍工廠は、機銃の弾丸や爆撃照準機を製造するなど「東洋一の兵器工場」とも呼ばれた。70年前の1945年8月7日、米軍のB29爆撃機の攻撃を受け、学徒動員を含む2500人以上が犠牲となった。

 脚本・演出は、名古屋市の俳優伊沢勉さん(57)が担当。これまでも東三河演劇フェスティバルの一環として、海軍工廠を扱った作品を2011年と12年に手掛けてきた。父の二郎さん(86)も空襲の体験者で、「戦争を知る世代が減っていく中、単なる反戦メッセージで終わらせず、平和や幸福を問いかける舞台にできれば」と話す。

 公募で選ばれた出演者21人は、1月から稽古を重ね、合間には空襲体験者からも話を聞くなど、役作りに励んできた。女学生を演じる椙山女学園大2年の伊藤千紗さん(20)=豊川市伊奈町=は「空襲体験は、想像以上に過酷だったことが分かった。実際に地元で起きた出来事を、舞台を通してしっかり伝えたい」と話す。

 公演は8月7、8日は午後3時、9日は午前11時と午後3時。入場料は大人2800円(前売り2500円)、高校生以下1800円(同1500円)。(問)東三河演劇祭実行委員会=090(3954)0664

(2015年7月17日 中日新聞朝刊東三河版より)
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