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2015.06.30
「炭素」国際会議 幕開け 名古屋 飯島教授が基調講演
タッチパネルやディスプレーなどで実用化が進んでいるカーボンナノチューブ(CNT)を中心とした極小炭素素材の専門家800人が世界から集う最大規模の国際会議「NT15」が29日、名古屋市千種区の名古屋大東山キャンパスで始まった。
CNTは炭素原子がパイプ状に結合した構造を持つ、直径1ナノ(10億分の1)メートルサイズの物質。鋼鉄の20倍の強度があり、電気を通す性質は銅の10倍ある。折り曲げることができる液晶ディスプレーや、太陽電池や半導体などの大幅な省電力を実現すると期待されている。
会議の冒頭、1991年にCNTを発見した飯島澄男・名城大教授が「CNTを発見した背景」と題して基調講演した。80年代から存在を指摘されていたCNTを実際に発見するまでに、極小物質の研究を通じて電子顕微鏡を操る腕を磨いたエピソードを詳細に説明。「CNTと関係の深い研究の積み重ねが、CNTの発見につながった」と話した。第一人者の講演に、会場からは「若手研究者にメッセージを」などの要望や質問が飛んだ。
会議は7月3日までで、最先端の研究成果550件が紹介され、実用化の裾野を広げるヒントを持ち寄る。
(今村太郎)
(2015年6月30日 中日新聞朝刊県内版より)
CNTは炭素原子がパイプ状に結合した構造を持つ、直径1ナノ(10億分の1)メートルサイズの物質。鋼鉄の20倍の強度があり、電気を通す性質は銅の10倍ある。折り曲げることができる液晶ディスプレーや、太陽電池や半導体などの大幅な省電力を実現すると期待されている。
会議の冒頭、1991年にCNTを発見した飯島澄男・名城大教授が「CNTを発見した背景」と題して基調講演した。80年代から存在を指摘されていたCNTを実際に発見するまでに、極小物質の研究を通じて電子顕微鏡を操る腕を磨いたエピソードを詳細に説明。「CNTと関係の深い研究の積み重ねが、CNTの発見につながった」と話した。第一人者の講演に、会場からは「若手研究者にメッセージを」などの要望や質問が飛んだ。
会議は7月3日までで、最先端の研究成果550件が紹介され、実用化の裾野を広げるヒントを持ち寄る。
(今村太郎)
(2015年6月30日 中日新聞朝刊県内版より)