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2015.05.19
銀幕に郷土愛 自作映画 ネパールを救え 出身の留学生監督 中村区でチャリティー上映会
大地震に見舞われたネパールを支援するため、同国出身の同朋大研究生マハルジャン・ラズクマルさん(32)が監督した映画のチャリティー上映会が22、23日、名古屋市中村区椿町のシネマスコーレで開かれる。同映画館と同朋大が主催。現地の自宅が崩壊し、父親(65)と息子(10)が避難生活を送るラズクマルさんは「集まったお金が少しでも故郷の役に立ったらうれしい」と話す。
ラズクマルさんは現地の大学を卒業後、2010年10月に来日。映画の製作を学ぶため、12年4月に同朋大(中村区)の文学部映像文化コースに編入した。母国で映画会社を起こすのが夢。日本へ呼んだ妻(35)の協力を得て、今春の大学卒業後も研究生として在籍し、勉学を続けている。
地震発生は交流サイト「フェイスブック」ですぐに知った。父親と息子が暮らす自宅はカトマンズ近郊のバランブ村。すぐに電話したがつながらず、一晩中かけ続けた。翌日、共に避難していた兄の家族から無事を確認して安堵(あんど)したが、一番上の姉の自宅は全壊。よく遊びに来た義兄の兄の妻子は、倒壊した家屋の下敷きになって亡くなったと知った。「観光地である世界遺産の寺もほとんどつぶれた。ネパールに何も無くなってしまった」。電話で「家が壊れた」と泣いて訴えた息子に会いたいが、「お金を考えるとしばらく帰れない」とうつむく。
チャリティー上映会は、同朋大4年で同じコースで学ぶ鳥井祐樹さん(22)が、ラズクマルさんを気遣って企画した。昨年、東京で自殺したネパール人留学生の死を追求したラズクマルさん監督の卒業制作ドキュメンタリー映画「ネパール人は自殺しない」(75分)を上映する。鑑賞料と劇場内に置く募金箱のお金をネパール大使館や名古屋市のNPO法人を通じ、全額寄付する予定だ。
当日券1000円のみで、両日とも午後8時半から。ラズクマルさんは「自分の映画の上映でネパールの役に立てるならうれしい。コースのみんなに感謝したい」と話している。問い合わせは同朋大=電052(411)1111=へ。
(2015年5月19日 中日新聞朝刊28面より)
ラズクマルさんは現地の大学を卒業後、2010年10月に来日。映画の製作を学ぶため、12年4月に同朋大(中村区)の文学部映像文化コースに編入した。母国で映画会社を起こすのが夢。日本へ呼んだ妻(35)の協力を得て、今春の大学卒業後も研究生として在籍し、勉学を続けている。
地震発生は交流サイト「フェイスブック」ですぐに知った。父親と息子が暮らす自宅はカトマンズ近郊のバランブ村。すぐに電話したがつながらず、一晩中かけ続けた。翌日、共に避難していた兄の家族から無事を確認して安堵(あんど)したが、一番上の姉の自宅は全壊。よく遊びに来た義兄の兄の妻子は、倒壊した家屋の下敷きになって亡くなったと知った。「観光地である世界遺産の寺もほとんどつぶれた。ネパールに何も無くなってしまった」。電話で「家が壊れた」と泣いて訴えた息子に会いたいが、「お金を考えるとしばらく帰れない」とうつむく。
チャリティー上映会は、同朋大4年で同じコースで学ぶ鳥井祐樹さん(22)が、ラズクマルさんを気遣って企画した。昨年、東京で自殺したネパール人留学生の死を追求したラズクマルさん監督の卒業制作ドキュメンタリー映画「ネパール人は自殺しない」(75分)を上映する。鑑賞料と劇場内に置く募金箱のお金をネパール大使館や名古屋市のNPO法人を通じ、全額寄付する予定だ。
当日券1000円のみで、両日とも午後8時半から。ラズクマルさんは「自分の映画の上映でネパールの役に立てるならうれしい。コースのみんなに感謝したい」と話している。問い合わせは同朋大=電052(411)1111=へ。
(2015年5月19日 中日新聞朝刊28面より)