１日に就任した名古屋大（名古屋市千種区）の松尾清一学長は、就任式や記者会見で「ジャパンズ・モースト（日本屈指）からワールズ・モースト（世界屈指）へ」を今後の任期６年間のキャッチフレーズに掲げ、「名大の地位をもう一段引き上げたい」と意気込みを語った。

　松尾学長は会見で、産学官が共同研究に打ち込む「センター・オブ・イノベーション」拠点施設や、最先端の炭素素材研究などに取り組む「ナショナルコンポジットセンター」、世界的な研究成果を発信している「トランスフォーマティブ生命分子研究所」などを例に挙げ、「すでに世界を相手に研究を進めている。さらに大きく育てたい」と述べた。

　浜口道成・前学長が進めたサテライトキャンパスなどのアジア戦略については「名大の大きな財産。一層力を入れる」と路線を踏襲する構え。学生に対しては「高い志を持ってほしい。国際舞台で、相手の立場や歴史、文化をよく理解する態度を大切にしてほしい」と呼び掛けた。

　法改正などで学長の権限を強める傾向が進んでいるが、松尾学長は「よくコミュニケーションを取り、共同統治で名大の力を２倍にも３倍にも引き出したい」と力を込めた。

　松尾学長はこの後、就任あいさつのため、中日新聞社を訪れ、小出宣昭社長に抱負を語った。　（今村太郎）

（2015年4月2日　中日新聞朝刊県内総合版より）