愛知大学野球春季リーグ戦（中日スポーツ後援）が４月４日に瑞穂球場（１日からパロマ瑞穂に改称）で開幕する。秋春連覇を狙う中部大など１部６校の戦力を分析した。

■投手陣が活性化

　【中部大】先発陣は昨秋に続いて村松、福島の右腕２枚が中心になりそうだ。１年生では昨夏の甲子園準優勝左腕の今井（三重高）、賀沢（多治見工）が３月のオープン戦でも登板。結果も出始めた。堀田監督は「１年生が加わったことで競争が激しくなり、投手陣が活性化している」と手応えを感じる。今井もまずはリリーフでのスタンバイとなりそうだ。

■監督の手腕注目

　【愛院大】木村監督の就任でメンバーは大きく変わりそうだ。木村監督は「ひょっとしたら化けるかも」と、昨秋５試合の出場だった３年生・高橋の潜在能力を評価。中軸・５番に据える考えだ。同じく昨秋５試合にとどまった３年の植村も「いいバッティングをしている」と３番起用を視野に入れている。投手陣は３年生の本田、大蔵、白鳥の右３枚が中心だ。

■左腕西川を柱に

　【日福大】投手陣はプロも注目する４年生左腕・西川が大黒柱。昨秋は１０試合、７５イニングを投げたが、浜嶋監督は「肩、肘が痛いということはない」と今年も信頼を寄せる。右下手投げ前元が２番手。１年生では右腕の鷹羽（東浦）がメンバー入りしそう。浜嶋監督は、状況によっては「先発も」と考えている。攻撃陣は４番を任されている岡鼻ら４年生が中心だ。

■つなぐスタイル

　【愛大】先発陣は右腕の西川、左腕の中川が両輪になりそうだ。１年生では右の白川（豊橋南）がオープン戦でも起用されている。身長１７２センチと大柄ではないが、バネがあり、セレクションで合格。メンバー入りの可能性はある。全体的に打力は高くなく、主将の１番・長江がけん引し、つなぐスタイルを目指す。大山、安藤、後藤の中軸が得点源になる。

■岡部の復活カギ

　【中京大】一昨年秋のリーグ優勝をけん引した左腕・岡部の復活がカギになる。左肘を痛めていたが、３月のオープン戦で実戦復帰。先発の中心を担うのは昨秋と変わらず右の山下大、左の山中になりそうだが、４年生になった岡部が加われば一気に厚みが増す。打線は３番・川本ら経験豊富な４年生が多く、スタメン９人中７人を４年生が占める可能性が高い。

■投手陣に厚い層

　【名城大】先発の軸に期待されるのは４年生右腕の浅田だ。成長が期待されるのが２年生の大久保、東の大型右腕２人。さらに１年生の大塚（栄徳）、栗林（愛知黎明）のルーキー右腕２人も、１４０キロ台の速球を武器にメンバー入りする可能性がある。攻撃陣は吉浦＆高木の２年生３、４番コンビがカギを握る。

■展望　昨秋Ｖの中部大リード

　昨季は４校が最終週まで優勝争いを繰り広げ、大混戦となった。そこから一歩抜けだし、１３季ぶりのリーグ優勝を手にした中部大が今春も本命となりそうだ。最優秀選手賞を受賞した神鳥ら昨秋の主力が多く残り、チームでは一歩リード。

　追い掛ける昨秋２位の愛院大は元日本ハム外野手の木村孝新監督（５６）が就任。２月の宮崎キャンプでは心筋梗塞に見舞われたが、早い処置が奏功して今春リーグからの指揮に支障はない。戦力把握が少し遅れたものの、新しい指導に「選手たちが今は食いついてきてくれている」という。エース右腕の大蔵を中心に、王座奪還に燃えている。

　中京大は川本ら昨季のメンバーが多く残る。昨秋、序盤は単独首位を走りながら終盤に失速した日本福祉大は、課題として残った守備の強化が進んだ。　（安達健）

◇愛知大学野球春季リーグ日程◇
月日（曜）／対戦カード／球場
４月　４日（土）中部大−名城大　愛大−中京大（瑞穂）
４月　５日（日）中京大−愛大　名城大−中部大（瑞穂）
４月１１日（土）愛院大−中京大　日福大−愛大（瑞穂）
４月１２日（日）愛大−日福大　中京大−愛院大（瑞穂）
４月１８日（土）中部大−日福大　愛院大−名城大（瑞穂）
４月１９日（日）名城大−愛院大　日福大−中部大（愛院大）
４月２５日（土）中部大−中京大　愛大−名城大（名城大）
４月２６日（日）名城大−愛大　中京大−中部大（春日井）
５月　２日（土）愛院大−愛大　日福大−中京大（豊田）
５月　３日（日）中京大−日福大　愛大−愛院大（豊田）
５月　９日（土）中部大−愛院大　日福大−名城大（春日井）
５月１０日（日）名城大−日福大　愛院大−中部大（春日井）
５月１６日（土）中部大−愛大　中京大−名城大（瑞穂）
５月１７日（日）名城大−中京大　愛大−中部大（瑞穂）
５月２３日（土）愛院大−日福大（瑞穂）
５月２４日（日）日福大−愛院大（瑞穂）
【注】開始時間は２試合の日が１０時（開幕日のみ１０時半）、１試合の日が１３時。球場名の「瑞穂」は４月から「パロマ」に

（2015年3月31日　中日スポーツ9面より）