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中日新聞掲載の大学記事

2008.04.18

愛工大 荻野 貴幸遊撃手(2年) 愛知大学野球の新しい『華』になってや

 愛知大学野球春季リーグ戦は看板選手が抜けてしもうて、ちょっと寂しい気がするやろ。五輪予選にも出て、アマ球界を代表する左腕やった愛工大・長谷部が楽天入りし、名城大・山内壮馬が中日入団。この愛知・杜若高コンビには「華」があったさかいに…。そやけど、“後継”選手はちゃんといてるんやで。投手ではなくて、野手やけど、こちらも杜若高出。愛工大の2年生・荻野貴幸遊撃手や。体格は176センチ、67キロで、右投げ左打ち。先週のチーム開幕戦では、トップ打者で左中間にガツンと二塁打。ええパンチ力してる。

 今夏の世界大学野球選手権(チェコで開催)に向けた昨年12月の大学ジャパン強化合宿(松山)に参加してる。当時1年生で、この合宿に招集されたのは早大・斎藤ら計4人だけやったから、それだけでも荻野が好素材と分かるやろ。あの大学代表候補合宿では、早大・上本、横浜商大・山崎と今秋ドラフト候補に挙げられる両先輩内野手から手ほどきを受けた。

 「グラブのハンドリングとか、いろいろ教えてもらい、すごく勉強になりました」と荻野は感謝してる。50メートルを5秒8で駆ける快速だから、この先は伸びていくやろが、現況はまだ捕って投げるだけで精いっぱい。ゆとりがないんやな。ショートとしての状況判断はもちろん、横の動きもまだまだ。「松井稼頭央さん(アストロズ)のスナップスロー。井端さん(中日)の落ち着き、確実さを身に着けたいのですが…」とゆうてたが、あこがれの内野手に向かってもっと練習せなあかん。

 特技はトランプ。高度の技を持ってるようや。そうゆうたら、長谷部は楽天の入団発表で、トランプを使った手品を披露してた。高校、大学を通じての先輩やから、荻野は教えてもろうたのとちゃうか。トランプを巧みに操るのなら、守備でも器用にやれるようになるやろ。

 硬式の少年野球、瀬戸シニア出身。高校時代は最後の夏、愛知大会準々決勝で豊田西に逆転サヨナラ負けし、甲子園には縁がなかった無名選手が愛工大では1年からレギュラー。ハンカチ王子と一緒に大学代表合宿に参加し、上昇気流へ。長谷部先輩のように、シンデレラボーイになってや。(元中日スカウト、現テレビ愛知解説者)=毎週金曜日掲載

(2008年4月18日 中日スポーツ11面より)

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