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中日新聞掲載の大学記事

2014.09.10

歩行支援 ばねの力だけ 軽量、着脱も簡単 名工大・今仙技術研究所

 ばねの力だけで片脚がまひした人が歩きやすくなる歩行支援機「ACSIVE(アクシブ)」を、名古屋工業大の佐野明人教授(機能工学)と、自動車部品メーカーグループの今仙技術研究所(岐阜県各務原市)が共同開発し、9日に販売を始めた。佐野教授によると、電気などの動力を使わない無動力の歩行支援機の製品化は世界初という。

 佐野教授と同社が記者会見して明らかにした。腰と膝に巻いたベルトをカーボン製の棒とばねでつなぎ、歩く際に起きるばねの伸縮を前に進む力に利用して歩行をサポートする。重さは550グラムで、慣れれば着脱も数十秒で済むという。

 佐野教授と同社は、2002年から2足歩行ロボットの研究で連携。4年前から装具の開発を始めた。佐野教授は「入浴と寝る時以外は着用できるので、体の一部になれる」と言う。

 利用者として想定しているのは、脳卒中などで半身まひとなったり、高齢などで歩行が難しくなった人など。すでに、岐阜市の岐阜大病院でリハビリに用いている例もあり、同社の山田博社長(60)は「医療界や福祉関係者などからの問い合わせが想定を上回っている」と話す。

 来年3月末までは月産100台の予定だが、来年中に月産1万台への増産を目指す。価格は18万円(税抜き)。医療機関や福祉用具店などを通じて販売する。問い合わせは、今仙技術研究所=電058(379)2727=へ。(岐阜報道部・福沢和義)

(2014年9月10日 中日新聞朝刊11面より)
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