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2014.04.05
愛知大学野球 きょう開幕 かけめぐる球春
愛知大学野球春季リーグ(中日新聞社後援)は5日、名古屋市の瑞穂球場で開幕し、8週にわたって熱戦が繰り広げられる。1部では、中京大の2季連続優勝がなるか、他校が阻止できるかが焦点となる。14季ぶりに復帰した、日福大の戦いぶりも楽しみ。6校の主将に意気込みを聞いた。また、昨秋のプロ野球ドラフト会議で、OBの石川歩投手(中部大−東京ガス)がロッテの1位、浦野博司投手(愛院大−セガサミー)が日本ハムの2位で指名を受けた。夢を切り開いた2人から、後輩たちへメッセージが届いている。
■競い合い成長できた ロッテ1位 石川歩(中部大出)
野球をするならレベルの高いところで、と愛知大学リーグを選んだ。雰囲気がのんびりした性格の自分に合っていて、4年間、楽しく続けられたのが良かった。大学野球は自分の原点。
1番の思い出は4年秋(2010年)に、1学年下の愛院大の浦野投手と延長14回を投げ合ったこと。回を重ねていくうちに「いつまでもやりたい」と思い、勝ち負けに関係なく純粋にプレーを楽しんでいた。リーグには浦野のほかにもいい投手がいて、互いに競い合って成長できた。
2年夏に大学日本代表候補の強化合宿に参加させてもらったり、エースになった4年春に最優秀防御率賞を獲得したことなどで自信が付いた。プロのスカウトにも注目され、社会人でも野球を続けてプロを目指そう、という気持ちが初めて芽生えた。
リーグには全国でも上位を狙える大学が集まっている。優勝して神宮球場で活躍してほしい。
■続ければ夢はかなう 日本ハム2位 浦野博司(愛院大出)
登板機会をつかみたくて愛知大学リーグを選んだ。1年(2008年)の時から先発を任されたけど、2年まで結果を出せず苦労した。3年でエースになってからは責任感から「勝たなきゃいけない」というプレッシャーの中で投げ、精神的に鍛えられた。
4年秋に明治神宮大会で準優勝したのが最高の思い出。初戦から3試合連続で1点差の際どい勝負を勝ち上がったりして、奇跡みたいだった。同期の選手とは厳しいことも言い合える仲で最高のチームだった。
そんな仲間と4季連続優勝も経験。3、4年で2度、最優秀選手に選ばれて「社会人でも結果を出し続ければ、その先にプロが見えてくるんじゃないか」と思えた。
愛知大学リーグと東京のリーグなどとのレベルの差は全然ないと思う。実際に戦えば、気持ち次第でいくらでも勝てる。4年間、しっかり野球を続ければ夢がかなえられる。
■V争い 2強が軸
6校の実力が拮抗(きっこう)しており混戦が予想されるが、復帰したばかりの昨季に頂点に立った中京大と、2位の中部大が優勝争いの軸となりそうだ。
中京大は勝負強い川本や鈴木孝などが打線の軸となる。昨季に敢闘賞を獲得したエースの左腕岡部は健在だが、昨季まで絶対的エースだった清水が卒業して投手陣には不安が残る。好機を逃さない打線で頂点を狙う。
中部大は投打のバランスがいい。投手はエースの右腕若林に加えて、昨季、台頭した2年生の左腕肥田と右横手の鈴木大にも期待できる。野手も長打力のある神鳥や俊足の白石など魅力がある選手が多い。
続くのが名城大で、優勝を狙える力がある。近藤弘主将が昨年2度のベストナインを受賞するなど急成長し、中軸を担って打線を引っ張る。森田、河野両エースら投手中心の堅守からリズムをつくり、攻撃につなげたい。
愛院大は2012年秋まで6連覇を果たした時のように、失策や四球など相手のミスに畳み掛ける攻撃で3季ぶりの優勝を目指す。
愛大は昨春の優勝の原動力となったエース森が、秋は腰を痛めてほとんど登板できなかった。復活できれば他校には脅威となる。07年春以来の1部となる日福大は中軸に座る岡鼻、中原らが好機で確実に得点し、投手陣をもり立てたい。
■今年こそは神宮切符 中京大・今井健太朗主将
投手が3点以内に抑え、打線は5点以上取りたい。昨年も主力だった川本や鈴木孝は好機で打てる。投手は左腕岡部中心に野松ら2年生が成長。昨年、逃した神宮行きの切符を勝ち取る。
■総合力でリーグVへ 中部大・宇栄原晃主将
いろんなタイプの投手や野手がおり、対戦チームに合わせて選手を組み替えられる。堀田監督が指揮を執るようになって2年目。選手もまとまっている。総合力でリーグ戦を勝ち抜き、全国4強を目指す。
■投打ともに活躍期待 愛院大・源田壮亮主将
昨年の主力メンバーが多く残り、充実している。投手陣は左の本格派是枝、左の技巧派原崎が中心。打線は泉地や纐纈などに長打が期待できる。相手のミスに畳み掛けて点を奪う野球を目指す。
■開幕戦に勝ち勢いを 名城大・近藤弘基主将
守りでリズムをつくる野球を目指す。打線はつなぐことを意識して練習してきた。投手は技巧派の左腕森田、本格派の右腕河野に加え、2年の足立も成長。開幕戦から勝って勢いをつけたい。
■エース復活 打も好調 愛大・仁枝俊輔主将
冬は守備の向上に取り組んだ。嶋谷、倉地ら強打者をそろえた上位打線で1回から攻めたい。投手は昨季、負傷していたエース森が復活し、成長した谷川原への期待も大きい。全国2勝が目標だ。
■投手充実 最少失点に 日福大・南部護主将
いい投手が多いので、投手中心の守りで最少失点に抑えたい。走者が出れば主砲岡鼻ら中軸が確実にかえしてくれる。復帰したばかりだが、神宮を目指して一戦一戦集中して戦っていく。
<1部の日程>
4月 5日 中京大−日福大 名城大−愛大 (瑞穂)
4月 6日 愛大−名城大 日福大−中京大 (瑞穂)
4月12日 中部大−愛大 愛院大−名城大 (瑞穂)
4月13日 名城大−愛院大 愛大−中部大 (瑞穂)
4月19日 中京大−愛院大 中部大−日福大 (瑞穂)
4月20日 日福大−中部大 愛院大−中京大 (愛院大)
4月26日 中京大−愛大 名城大−日福大 (豊田)
4月27日 日福大−名城大 愛大−中京大 (春日井)
5月 3日 中部大−名城大 愛院大−愛大 (豊田)
5月 4日 愛大−愛院大 名城大−中部大 (豊田)
5月10日 中京大−中部大 愛院大−日福大 (瑞穂)
5月11日 日福大−愛院大 中部大−中京大 (豊田)
5月17日 中京大−名城大 愛大−日福大 (名城大)
5月18日 日福大−愛大 名城大−中京大 (瑞穂)
5月24日 中部大−愛院大 (瑞穂)
5月25日 愛院大−中部大 (瑞穂)
【注】対戦カードの右は球場。開始時間は2試合の日が10時、1試合の日は13時。開幕日は10時半開始
<2部>
名古屋商科大、愛知産業大、愛知東邦大、愛知工業大、東海学園大、名古屋産業大、星城大、至学館大、名古屋大、同朋大、名古屋経済大、名古屋学院大
<3部>
愛知学泉大、名古屋工業大、名古屋市立大、愛知淑徳大、愛知教育大、南山大、豊橋技術科学大、名古屋外国語大、大同大、愛知みずほ大
(2014年4月5日 中日新聞朝刊24面より)
■競い合い成長できた ロッテ1位 石川歩(中部大出)
野球をするならレベルの高いところで、と愛知大学リーグを選んだ。雰囲気がのんびりした性格の自分に合っていて、4年間、楽しく続けられたのが良かった。大学野球は自分の原点。
1番の思い出は4年秋(2010年)に、1学年下の愛院大の浦野投手と延長14回を投げ合ったこと。回を重ねていくうちに「いつまでもやりたい」と思い、勝ち負けに関係なく純粋にプレーを楽しんでいた。リーグには浦野のほかにもいい投手がいて、互いに競い合って成長できた。
2年夏に大学日本代表候補の強化合宿に参加させてもらったり、エースになった4年春に最優秀防御率賞を獲得したことなどで自信が付いた。プロのスカウトにも注目され、社会人でも野球を続けてプロを目指そう、という気持ちが初めて芽生えた。
リーグには全国でも上位を狙える大学が集まっている。優勝して神宮球場で活躍してほしい。
■続ければ夢はかなう 日本ハム2位 浦野博司(愛院大出)
登板機会をつかみたくて愛知大学リーグを選んだ。1年(2008年)の時から先発を任されたけど、2年まで結果を出せず苦労した。3年でエースになってからは責任感から「勝たなきゃいけない」というプレッシャーの中で投げ、精神的に鍛えられた。
4年秋に明治神宮大会で準優勝したのが最高の思い出。初戦から3試合連続で1点差の際どい勝負を勝ち上がったりして、奇跡みたいだった。同期の選手とは厳しいことも言い合える仲で最高のチームだった。
そんな仲間と4季連続優勝も経験。3、4年で2度、最優秀選手に選ばれて「社会人でも結果を出し続ければ、その先にプロが見えてくるんじゃないか」と思えた。
愛知大学リーグと東京のリーグなどとのレベルの差は全然ないと思う。実際に戦えば、気持ち次第でいくらでも勝てる。4年間、しっかり野球を続ければ夢がかなえられる。
■V争い 2強が軸
6校の実力が拮抗(きっこう)しており混戦が予想されるが、復帰したばかりの昨季に頂点に立った中京大と、2位の中部大が優勝争いの軸となりそうだ。
中京大は勝負強い川本や鈴木孝などが打線の軸となる。昨季に敢闘賞を獲得したエースの左腕岡部は健在だが、昨季まで絶対的エースだった清水が卒業して投手陣には不安が残る。好機を逃さない打線で頂点を狙う。
中部大は投打のバランスがいい。投手はエースの右腕若林に加えて、昨季、台頭した2年生の左腕肥田と右横手の鈴木大にも期待できる。野手も長打力のある神鳥や俊足の白石など魅力がある選手が多い。
続くのが名城大で、優勝を狙える力がある。近藤弘主将が昨年2度のベストナインを受賞するなど急成長し、中軸を担って打線を引っ張る。森田、河野両エースら投手中心の堅守からリズムをつくり、攻撃につなげたい。
愛院大は2012年秋まで6連覇を果たした時のように、失策や四球など相手のミスに畳み掛ける攻撃で3季ぶりの優勝を目指す。
愛大は昨春の優勝の原動力となったエース森が、秋は腰を痛めてほとんど登板できなかった。復活できれば他校には脅威となる。07年春以来の1部となる日福大は中軸に座る岡鼻、中原らが好機で確実に得点し、投手陣をもり立てたい。
■今年こそは神宮切符 中京大・今井健太朗主将
投手が3点以内に抑え、打線は5点以上取りたい。昨年も主力だった川本や鈴木孝は好機で打てる。投手は左腕岡部中心に野松ら2年生が成長。昨年、逃した神宮行きの切符を勝ち取る。
■総合力でリーグVへ 中部大・宇栄原晃主将
いろんなタイプの投手や野手がおり、対戦チームに合わせて選手を組み替えられる。堀田監督が指揮を執るようになって2年目。選手もまとまっている。総合力でリーグ戦を勝ち抜き、全国4強を目指す。
■投打ともに活躍期待 愛院大・源田壮亮主将
昨年の主力メンバーが多く残り、充実している。投手陣は左の本格派是枝、左の技巧派原崎が中心。打線は泉地や纐纈などに長打が期待できる。相手のミスに畳み掛けて点を奪う野球を目指す。
■開幕戦に勝ち勢いを 名城大・近藤弘基主将
守りでリズムをつくる野球を目指す。打線はつなぐことを意識して練習してきた。投手は技巧派の左腕森田、本格派の右腕河野に加え、2年の足立も成長。開幕戦から勝って勢いをつけたい。
■エース復活 打も好調 愛大・仁枝俊輔主将
冬は守備の向上に取り組んだ。嶋谷、倉地ら強打者をそろえた上位打線で1回から攻めたい。投手は昨季、負傷していたエース森が復活し、成長した谷川原への期待も大きい。全国2勝が目標だ。
■投手充実 最少失点に 日福大・南部護主将
いい投手が多いので、投手中心の守りで最少失点に抑えたい。走者が出れば主砲岡鼻ら中軸が確実にかえしてくれる。復帰したばかりだが、神宮を目指して一戦一戦集中して戦っていく。
<1部の日程>
4月 5日 中京大−日福大 名城大−愛大 (瑞穂)
4月 6日 愛大−名城大 日福大−中京大 (瑞穂)
4月12日 中部大−愛大 愛院大−名城大 (瑞穂)
4月13日 名城大−愛院大 愛大−中部大 (瑞穂)
4月19日 中京大−愛院大 中部大−日福大 (瑞穂)
4月20日 日福大−中部大 愛院大−中京大 (愛院大)
4月26日 中京大−愛大 名城大−日福大 (豊田)
4月27日 日福大−名城大 愛大−中京大 (春日井)
5月 3日 中部大−名城大 愛院大−愛大 (豊田)
5月 4日 愛大−愛院大 名城大−中部大 (豊田)
5月10日 中京大−中部大 愛院大−日福大 (瑞穂)
5月11日 日福大−愛院大 中部大−中京大 (豊田)
5月17日 中京大−名城大 愛大−日福大 (名城大)
5月18日 日福大−愛大 名城大−中京大 (瑞穂)
5月24日 中部大−愛院大 (瑞穂)
5月25日 愛院大−中部大 (瑞穂)
【注】対戦カードの右は球場。開始時間は2試合の日が10時、1試合の日は13時。開幕日は10時半開始
<2部>
名古屋商科大、愛知産業大、愛知東邦大、愛知工業大、東海学園大、名古屋産業大、星城大、至学館大、名古屋大、同朋大、名古屋経済大、名古屋学院大
<3部>
愛知学泉大、名古屋工業大、名古屋市立大、愛知淑徳大、愛知教育大、南山大、豊橋技術科学大、名古屋外国語大、大同大、愛知みずほ大
(2014年4月5日 中日新聞朝刊24面より)