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中日新聞掲載の大学記事

2013.11.19

明治神宮野球大会 第3日 行けるかと・・・ 痛恨のエラー 上西勝ち越し弾 実らず

 大学の部では、中部学院大(中部3連盟代表・東海地区)が昨秋の明治神宮大会の覇者・桐蔭横浜大(関東5連盟第1代表・神奈川)に5−10で逆転負けし、4強入りを逃した。大商大(関西5連盟第1代表・関西六)は近大工学部(中四国3連盟代表・広島六)に延長10回タイブレークの末、2−1でサヨナラ勝ち。高校の部では、北信越チャンピオン・日本文理(新潟)、九州大会の覇者・沖縄尚学がベスト4入り。19日は高校、大学両部とも準決勝が行われる。

 悔し涙があふれ出た。9回2死。中部学院大は4番・杉島が遊ゴロに倒れ、準々決勝で敗退。打席の目前で敗戦が決まった5番・上西主起右翼手(4年・県和歌山商)はグラウンドに座り込んだまま、しばらく立ち上がることができなかった。

 「終わりたくないという気持ちだった。チャンスで打てなかったので、悔いが残っています」

 2戦連続でヒーローになるはずだった。2−2の3回無死一、二塁で桐蔭横浜大の先発・横山の直球を強振。ライナーでバックスクリーンに突き刺した。初戦・関学大戦の延長10回に放ったダメ押しの一発に続く2戦連続の3ランだった。

 「中堅越えかと思ったけど、思ったより伸びてくれた。(リードを守って)このまま行けるかと思ったけど」と上西。高校時代の通算本塁打数はわずか5本。大学入学後に徹底したウエートトレと体幹トレを繰り返した成果だったが、7回に落とし穴が待っていた。

 無死一、二塁のピンチで粘投の先発左腕・斎藤が送りバントをダッシュでつかみ、三塁へ送球。タイミングはアウトだったが、三塁手が取り損ねて、流れが一気に傾いた。「負けに不思議の負けなし。失策は1つだったけど、致命的な失策だった」と原克隆監督(44)。継投も後手に回って、4本の長短打などで6失点。斎藤は「リードを守りきれず、申し訳ない」とうなだれた。

 ただ、関学大戦で春を含め3度目の全国大会挑戦で初勝利を挙げた。原監督は「ここで2試合できたのは収穫。岐阜に帰って鍛え直したい」と前を向いた。卒業後、社会人野球の名門・日本生命入りする上西も「本塁打を2本打てて自信になったし、満足感もある」と話し、涙を拭いた。悔しさと手応えを胸に秘めて、岐阜で再スタートを切る。 (麻生和男)

■小野力投 6イニング9K 桐蔭横浜大

 桐蔭横浜大の4年生エース・小野の力投が味方打線の逆襲を引き出した。3点リードされていた4回からロング救援し、6イニング1安打無失点で9奪三振。「力を出し切ってやろうと投げた」。昨秋の明治神宮大会の優勝投手だが、今秋はフォームを崩してリーグ戦では1試合しか登板していなかった。神宮の大舞台での完全復活である。桐蔭横浜大OBで、先のドラフトでオリックスに2位指名された東明(富士重工)からは「いつも頼られるのがエース」と教えられてきたが、その言葉通りの快投。小野は尊敬する先輩がプレーした富士重工への就職が決まっている。

▽準々決勝
中部学院大(中部) 203000000―5
桐蔭横浜大(関東1) 20000062x―10
本塁打上西(中)

近大工学部(中国・四国) 0000001000―1
大商大(関西1) 0100000001―2
(タイブレーク10回)
(近)森原、松下−宮本、高橋
(大)近藤、金子−桂

(2013年11月19日 中日スポーツ9面より)
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