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2013.10.26
全日本大学駅伝 岐阜経済大が初出場 揖斐監督 駒大イズム注入
■アップ重視 ドリル徹底 急成長
駅伝の大学日本一を決める全日本大学駅伝(11月3日、熱田神宮〜伊勢神宮)に岐阜経済大駅伝部が初出場する。チームを率いるのは就任2年目の揖斐祐治監督(33)。現役時代は駒大で箱根駅伝優勝を経験し、実業団のエスビー食品でも活躍した青年監督が、駒大イズム、そしてエスビー魂で大学駅伝に新風を吹き込む。
■喜びよりも驚き
異例のスピード出場だった。6月に行われた東海地区予選会。12校中上位2校に本戦出場権が与えられる狭き門を2位で突破した岐阜経済大。チームを率いて2年目の揖斐監督は「まさか今年行けるとは思っていなかったので、喜びというより驚きだったが、学生はよく頑張ってくれた」と振り返った。恩師でもある駒大の大八木弘明監督(55)に初出場を報告すると「何の話をしているんだ」と半信半疑の反応だったという。
その駒大では箱根駅伝で2度の優勝と区間賞を獲得。指導のベースにあるのは当然駒大、そして大八木監督の教えだ。「大八木さんの指導は厳しいけど、10年間全国のトップに立っているだけあって基本がしっかりしている。その基本からチームをつくり直した」。選手が各自で何となく行ってたウオーミングアップは集団でしっかり時間を割くように改めさせ、練習効果を高めた。正しいフォームを身に付けるためのドリルも徹底させた。
「速くなりたいけど、そのやり方を知らなかっただけ」という選手たちはすぐに吸収、5000メートルで16分を切るのがやっとから3カ月で14分台目前まで縮めた例もあるという。8月と9月には長野・野尻湖で駒大の合宿にも参加、全国レベルを肌で感じ競技に対する意欲も一層高まった。
■エスビー魂継ぐ
晴れ舞台となる全日本大学駅伝では、かつて所属していたエスビー食品をモチーフにしたユニホームで走る。「エスビーに憧れていたので廃部が悔しくて、何とか残したいと思って瀬古さんに『デザインをもらっていいですか』と聞いたら『いいよ』と言ってもらった」。朱色のユニホームとたすきが駆け抜けるのは、瀬古氏の故郷でもある三重県。「まずはたすきを1区間でも長くつなぐこと。そして17位以内に入って東海地区の2枠を守ること」。いつか母校と肩を並べるその日へ、第一歩を記す。 (川村庸介)
■強さ身に付いた 米田主将
揖斐監督の指導について米田天明主将(4年)は「生活も練習も基本に忠実で、一つ一つの練習が結果につながっていると実感できる。天気などのコンディションが悪くてもしっかり練習をやり切るので妥協せずにしっかりやる強さが身に付いた」と話す。全日本大学駅伝直後の5日は揖斐監督の誕生日でもあるだけに「目標の17位以内に入っていいプレゼントをしたい」と意気込んでいた。
▼揖斐祐治(いび・ゆうじ) 1979(昭和54)年11月5日生まれ、岐阜県可児市出身の33歳。土岐商高では2年生で全国高校駅伝に出場し1区で2位。駒大では4年間で出雲、全日本、箱根の3大駅伝すべてに出場し箱根駅伝では00年、02年に優勝。03年にエスビー食品に入社し、06年に引退。麗沢大コーチ、東亜大女子駅伝部監督を経て12年に岐阜経済大に赴任。
【岐阜経済大学】 1967年に創立。主な卒業生には元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士がいる。陸上部は85年に創部、2013年から長距離部門が駅伝部として独立した。
(2013年10月26日 中日スポーツ10面より)
駅伝の大学日本一を決める全日本大学駅伝(11月3日、熱田神宮〜伊勢神宮)に岐阜経済大駅伝部が初出場する。チームを率いるのは就任2年目の揖斐祐治監督(33)。現役時代は駒大で箱根駅伝優勝を経験し、実業団のエスビー食品でも活躍した青年監督が、駒大イズム、そしてエスビー魂で大学駅伝に新風を吹き込む。
■喜びよりも驚き
異例のスピード出場だった。6月に行われた東海地区予選会。12校中上位2校に本戦出場権が与えられる狭き門を2位で突破した岐阜経済大。チームを率いて2年目の揖斐監督は「まさか今年行けるとは思っていなかったので、喜びというより驚きだったが、学生はよく頑張ってくれた」と振り返った。恩師でもある駒大の大八木弘明監督(55)に初出場を報告すると「何の話をしているんだ」と半信半疑の反応だったという。
その駒大では箱根駅伝で2度の優勝と区間賞を獲得。指導のベースにあるのは当然駒大、そして大八木監督の教えだ。「大八木さんの指導は厳しいけど、10年間全国のトップに立っているだけあって基本がしっかりしている。その基本からチームをつくり直した」。選手が各自で何となく行ってたウオーミングアップは集団でしっかり時間を割くように改めさせ、練習効果を高めた。正しいフォームを身に付けるためのドリルも徹底させた。
「速くなりたいけど、そのやり方を知らなかっただけ」という選手たちはすぐに吸収、5000メートルで16分を切るのがやっとから3カ月で14分台目前まで縮めた例もあるという。8月と9月には長野・野尻湖で駒大の合宿にも参加、全国レベルを肌で感じ競技に対する意欲も一層高まった。
■エスビー魂継ぐ
晴れ舞台となる全日本大学駅伝では、かつて所属していたエスビー食品をモチーフにしたユニホームで走る。「エスビーに憧れていたので廃部が悔しくて、何とか残したいと思って瀬古さんに『デザインをもらっていいですか』と聞いたら『いいよ』と言ってもらった」。朱色のユニホームとたすきが駆け抜けるのは、瀬古氏の故郷でもある三重県。「まずはたすきを1区間でも長くつなぐこと。そして17位以内に入って東海地区の2枠を守ること」。いつか母校と肩を並べるその日へ、第一歩を記す。 (川村庸介)
■強さ身に付いた 米田主将
揖斐監督の指導について米田天明主将(4年)は「生活も練習も基本に忠実で、一つ一つの練習が結果につながっていると実感できる。天気などのコンディションが悪くてもしっかり練習をやり切るので妥協せずにしっかりやる強さが身に付いた」と話す。全日本大学駅伝直後の5日は揖斐監督の誕生日でもあるだけに「目標の17位以内に入っていいプレゼントをしたい」と意気込んでいた。
▼揖斐祐治(いび・ゆうじ) 1979(昭和54)年11月5日生まれ、岐阜県可児市出身の33歳。土岐商高では2年生で全国高校駅伝に出場し1区で2位。駒大では4年間で出雲、全日本、箱根の3大駅伝すべてに出場し箱根駅伝では00年、02年に優勝。03年にエスビー食品に入社し、06年に引退。麗沢大コーチ、東亜大女子駅伝部監督を経て12年に岐阜経済大に赴任。
【岐阜経済大学】 1967年に創立。主な卒業生には元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士がいる。陸上部は85年に創部、2013年から長距離部門が駅伝部として独立した。
(2013年10月26日 中日スポーツ10面より)
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