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2013.08.21
日常会話で認知症判定 口ごもりやリズム 解析システム 名工大グループ開発
■受診せずに早期発見
会話の声の調子から認知症かどうか判定するシステムを、名古屋工業大の加藤昇平准教授らの研究グループが開発した。認知症は早期発見が治療の鍵となるが、「まさか自分が」といった心理的な抵抗感などから受診に二の足を踏む人が多い。医療現場では「実用化すれば医師、患者とも心の負担が軽くなる」と期待している。
認知症は、もの忘れが激しくなったり、時間や場所を認識する力が損なわれたりする脳の疾患。症状によって治療法は異なる。早い段階で治療を始めれば、進行を抑えられる可能性がある。
研究グループは、会話のできるロボットの開発で培った手法を応用。人間が発する音声の高低や抑揚など130種類の特徴を抽出・解析できる技術を用いた。話し始めた時の口ごもりやリズムの乱れなどで認知症の症状かどうかを判定するプログラムを作った。
東京都内の認知症専門の医療機関や介護施設と連携して、2008年から高齢者460人を対象にテストを実施。「今日の日付と曜日は?」という質問に対する答え方を分析したところ、85%の確率で認知症かどうかを判別できた。
医師が認知症の診断をする場合、「100から順番に7を引いてください」「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」などの質問に対する応答や血液検査の結果を考慮する。検査は数万円を要するのが通例だ。
加藤准教授は「受診しなくても、テストと意識せずに日常会話から判定できることが特徴。患者と医師の双方の負担を軽減できる。データを重ねて信頼度を高め、実用化につなげたい」と話す。
全国で認知症の疑いのある人は440万人とされる。認知症介護研究・研修東京センター長の本間昭医師は「短時間で簡単に選別できれば、早期診断と治療につながる。治療を受けないまま、気が付いたら重症化しているという例を少なくできる」と実用化の意義を説明した。
(2013年8月21日 中日新聞朝刊1面より)
会話の声の調子から認知症かどうか判定するシステムを、名古屋工業大の加藤昇平准教授らの研究グループが開発した。認知症は早期発見が治療の鍵となるが、「まさか自分が」といった心理的な抵抗感などから受診に二の足を踏む人が多い。医療現場では「実用化すれば医師、患者とも心の負担が軽くなる」と期待している。
認知症は、もの忘れが激しくなったり、時間や場所を認識する力が損なわれたりする脳の疾患。症状によって治療法は異なる。早い段階で治療を始めれば、進行を抑えられる可能性がある。
研究グループは、会話のできるロボットの開発で培った手法を応用。人間が発する音声の高低や抑揚など130種類の特徴を抽出・解析できる技術を用いた。話し始めた時の口ごもりやリズムの乱れなどで認知症の症状かどうかを判定するプログラムを作った。
東京都内の認知症専門の医療機関や介護施設と連携して、2008年から高齢者460人を対象にテストを実施。「今日の日付と曜日は?」という質問に対する答え方を分析したところ、85%の確率で認知症かどうかを判別できた。
医師が認知症の診断をする場合、「100から順番に7を引いてください」「知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください」などの質問に対する応答や血液検査の結果を考慮する。検査は数万円を要するのが通例だ。
加藤准教授は「受診しなくても、テストと意識せずに日常会話から判定できることが特徴。患者と医師の双方の負担を軽減できる。データを重ねて信頼度を高め、実用化につなげたい」と話す。
全国で認知症の疑いのある人は440万人とされる。認知症介護研究・研修東京センター長の本間昭医師は「短時間で簡単に選別できれば、早期診断と治療につながる。治療を受けないまま、気が付いたら重症化しているという例を少なくできる」と実用化の意義を説明した。
(2013年8月21日 中日新聞朝刊1面より)
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