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中日新聞掲載の大学記事

2008.10.09

ノーベル賞 東海に注目株まだまだ 名城大の飯島、赤崎教授ら

 名古屋大ゆかりの研究者のノーベル賞受賞決定が相次ぎ、沸き立つ東海地方だが、ノーベル賞候補と目される実績を持つ科学者はまだまだいる。来年以降も受賞が期待される科学者たちを紹介すると−。

 世界で最もノーベル賞に近い1人といわれているのが、極細の炭素素材「カーボンナノチューブ(CNT)」を発見した名城大教授飯島澄男さん(69)だ。CNTは髪の毛の数万分の1の細さのチューブ。鋼よりも強く、銅よりも電気や熱をよく通す。極小の電子回路や、薄型ディスプレーなどさまざまな応用が期待される。

 CNTは飯島教授が1991年に発見して以降、世界中で研究競争が進む。飯島さんは欧米の名だたる賞を数多く受賞。ここ数年、ノーベル財団のあるスウェーデン現地紙でも「ノーベル賞有力候補」として直前に紹介されている。

 青色発光ダイオード(LED)開発の基となった半導体物質を開発した名城大教授で名大名誉教授の赤崎勇さん(79)も、注目を集めている。LEDは高輝度で寿命が長く、蛍光灯や電球に置き換わる光源として信号や携帯電話のパネルなどで普及が進んでいる。

 今回ノーベル化学賞受賞者の下村脩・米ボストン大名誉教授(80)が師事した名大の故平田義正博士の下で有機化学を学んだ米ハーバード大名誉教授の岸義人さん(71)や米コロンビア大名誉教授の中西香爾(こうじ)さん(83)。医療分野に貢献した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)のセンター長竹市雅俊さん(64)、化学の米シカゴ大教授の山本尚さん(65)も、名大出身者で毎年ノーベル賞候補者として名前が挙がる。また有害物質を分解する作用がある酸化チタンの光触媒反応を発見した神奈川科学アカデミー(川崎市)理事長の藤嶋昭さん(66)は、愛知県豊田市で戦時中疎開し、6年間過ごしていた。

(2008年10月9日 中日新聞夕刊12面より)
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