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中日新聞掲載の大学記事

2013.01.31

名大 世界見据え人材育成 日本法研究で法律家の卵支援 ミャンマーにも拠点

 名古屋大は30日、経済自由化で法整備が急がれるミャンマーに6月、「日本法研究センター」を開設すると発表した。国立ヤンゴン大と初の学術交流協定を締結し、法律家育成を目指す。

 ミャンマーは今も植民地時代の英国の法律を使うなど法整備が遅れている。このため、名大は日本から大学教員や弁護士を派遣し、日本の法律の集中講義やセミナーを開き、資料も提供する。法学の共同研究のほか、将来は自然科学分野の交流も目指す。

 名大は20年にわたりカンボジアやモンゴルなどアジア4カ国に拠点を設け、法整備を支援してきた。ミャンマーの国家公務員や研究者らも留学生として多く受け入れている。

 センター開設を担う名大法政国際教育協力研究センター長の市橋克哉教授は「開放政策が進む中、法律を社会情勢に合わせることが急務。まず経済分野の法整備から協力していきたい」と話した。

■企業で活躍できる研究者を 「登龍門」院生を選抜

 名古屋大は、専門性と幅広い知識を兼ね備え、社会や企業で活躍できる人材育成を目指す大学院プログラム「PhDプロフェッショナル登龍門」を、今春入学の大学院生を対象に始める。高学歴で就職できない若者が増える中、専門以外の研究や海外留学を通して、コミュニケーション能力や交渉術などを身に付けてもらう。

 プログラムは大学院の各研究科から1人ずつ選抜。留学生10人を加えた30人が対象で10月から始める。

 異なる専門領域を若手教員から1対1で学んだり、企業や自治体の第一線で活躍してきたベテランを講師に招く。アジア諸国での研修や米国の大学での集中講義も組み込む。

 対象の学生には奨学金も用意。博士課程修了までの6年間のプログラムだが、評価によっては途中で選抜を外すこともある。

 国の政策により、博士課程を修めたポストドクター(通称ポスドク)が多く養成されたが、安定した職に就けない例が多い。浜口道成学長は「大学院は研究者養成の教育を担い、ポスドクを増やしてきた。企業で働ける人材を育てたい」と話している。

(2013年1月31日 中日新聞朝刊27面より)

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