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2011.12.30
科学でサッカー実証 名古屋大・山本教授ら 米誌電子版に発表
■「司令塔」時間に応じ交代 パス回し、3人が効果的
サッカーの元日本代表・中田英寿さんや中村俊輔選手ら、試合を組み立てる役割の「司令塔」。科学的に、司令塔が存在し、試合中、時間帯に応じて代わっていることを、名古屋大総合保健体育科学センターの山本裕二教授らのグループが実証した。米科学誌「プロス・ワン」の電子版に28日発表した。(中村禎一郎)
グループは、2006年のワールドカップ決勝と同年のキリンカップの2試合を解析。各選手がパスを出した回数と受けた回数を5分間ごと観察した。結果、何度もボールに触れる司令塔役の1人の選手と、ほとんどボールに触れないその他の選手がいることが分かった。
司令塔となる選手が時間によって交代していくことも判明。司令塔が1人だけの場合、その選手がマークされるとチーム全体が機能しなくなってしまうことが背景にあるとグループは結論づけた。
また、3人でパスを回した数と、シュートチャンス数との関係も分析。パス回しの回数が多いほど、シュートチャンスが増える傾向が表れた。
山本教授は、企業競争をするうえでも、司令塔が交代していく仕組みが役立つかもしれないと指摘。サッカーをする子どもたちには「3人でパスを回すことが重要。4人でボールを奪い合う練習するなら、2対2より3対1に分かれた方が効果的」と助言している。
(2011年12月30日 中日新聞朝刊県内版より)
サッカーの元日本代表・中田英寿さんや中村俊輔選手ら、試合を組み立てる役割の「司令塔」。科学的に、司令塔が存在し、試合中、時間帯に応じて代わっていることを、名古屋大総合保健体育科学センターの山本裕二教授らのグループが実証した。米科学誌「プロス・ワン」の電子版に28日発表した。(中村禎一郎)
グループは、2006年のワールドカップ決勝と同年のキリンカップの2試合を解析。各選手がパスを出した回数と受けた回数を5分間ごと観察した。結果、何度もボールに触れる司令塔役の1人の選手と、ほとんどボールに触れないその他の選手がいることが分かった。
司令塔となる選手が時間によって交代していくことも判明。司令塔が1人だけの場合、その選手がマークされるとチーム全体が機能しなくなってしまうことが背景にあるとグループは結論づけた。
また、3人でパスを回した数と、シュートチャンス数との関係も分析。パス回しの回数が多いほど、シュートチャンスが増える傾向が表れた。
山本教授は、企業競争をするうえでも、司令塔が交代していく仕組みが役立つかもしれないと指摘。サッカーをする子どもたちには「3人でパスを回すことが重要。4人でボールを奪い合う練習するなら、2対2より3対1に分かれた方が効果的」と助言している。
(2011年12月30日 中日新聞朝刊県内版より)