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学生活動  2025.06.12

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ザクロジュースでアレンジレシピ 中部大生×スジャータ 卒業生が橋渡し

スジャータめいらくの審査員にレシピを説明する学生たち=春日井市松本町の中部大で

スジャータめいらくの審査員にレシピを説明する学生たち=春日井市松本町の中部大で

 中部大(春日井市松本町)応用生物学部の学生たちが、名古屋市拠点の食品大手「スジャータめいらくグループ」と連携し、商品のザクロジュースを使ったレシピ開発に昨年秋から取り組んできた。11日に最終のプレゼンテーションと試食会を学内で行った。両者のコラボは大豆ミートなどと春日井の特産サボテンを組み合わせたレシピ作りに続く第2弾。学生時代にレシピ開発に挑戦した経験があり、グループ企業に就職した1人の卒業生の提案をきっかけに始まった。(牧真一郎)

■大学で試食会 ドレッシングなど多彩

 名古屋製酪(名古屋市天白区)の開発本部プロダクトマネージャー熊谷優(ゆう)さん(26)。同学部環境生物科学科を2021年3月に卒業した。入社後、今とは別の部署で、プラントベース(大豆など植物由来の原材料で作られた食品)の販売促進に向けたアイデアとして「認知度が低く、学生の意見を採り入れたら」と提案。母校に協力を求める形で1回目の産学連携が実現した。

 この時は環境生物科学科と管理栄養科学専攻の学生が、サボテンに大豆ミートを挟んで揚げた「サボカツ」などのレシピを考案。22年10月に試食を行った。

 この成功事例を基に「食と美と健康+環境」を掲げる会社側が「ザクロ100%ジュースを使ったレシピの共同開発を」と依頼。食品栄養科学科で管理栄養科学を専攻する2、3年生が取り組んできた。

 生活習慣病予防などに有効とされるポリフェノールを多く含むザクロジュースは最近、女性らの人気を集めているが、飲んだ後に渋みを感じる人も。指導する同専攻講師の香西はなさん(47)は「とりやすくしつつ、ジュースのさわやかな甘酸っぱさを生かす」をポイントに置いた。

 15グループ30人ほどが参加。4月初旬の試食会で会社側からアドバイスをもらい、レシピを改善して最終プレゼンに臨んだ。熊谷さんが司会進行役を務め、名古屋製酪の商品開発担当者やグループ広報ら5人が試食しながら審査した。

 発表したレシピは「ザクロドレッシング」「ざくろ生春巻き」「ザクロジュースで漬けた肉を使ったおにぎり」「豆乳クリームパスタ~ザクロソース付き」「ザクロジュース入りマリネで漬けた鶏肉のステーキ」など多彩。アイスクリームやようかんなどデザートも登場した。

 学生たちは「アレンジが多い」「夏バテ対策に手軽にできる」などとアピール。審査員は「おいしい」「この発想はなかった」と新食感を楽しみながら、改善点も指摘していた。香西さんは「この経験は学生たちの今後に生きると思う」と連携の成果に期待した。

 会社側は近く優秀作品を決め、ホームページや交流サイト(SNS)でレシピを公開することも検討する。

(2025年6月12日 中日新聞朝刊近郊版より)
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