物語に合わせて音楽を奏でる清水さん（右）ら＝岐阜市薮田南のサラマンカホールで

　宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」を題材にしたコンサートが１２日、岐阜市薮田南のサラマンカホールであった。岐阜市出身で国内外で活躍するチェロ奏者の清水陽介さん（２２）がゴーシュ役を担当。朗読に合わせて、童話や宮沢賢治にゆかりのある作品など６曲を披露した。

　作曲・編曲は作曲家の小笠原彩乃さん（２９）が担当。作品をモチーフにした新作「セロ弾きのゴーシュ」も初演された。演奏では、愛知県立芸術大の学生らで作る「ゴーシュ五重奏団」が、清水さんと共に美しい音色を奏でた。

　清水さんは、ゴーシュに合わせ、フランネルのシャツにサスペンダーを着用。動きも交えてゴーシュを表現し、「新しい挑戦だったけれど、自分も客席にいるかのように、楽しんで演奏できた。自分とゴーシュをリンクさせて演奏した」と笑顔で演奏を振り返った。

　演奏会は、サラマンカホールと愛知県立芸術大の包括連携事業の一環。五重奏団でチェロを担当した窪田翔椰さん（２４）は「物語の世界観に合わせた音を作り出せるように演奏した」と話した。　（及川凌）

（2025年4月17日　中日新聞朝刊県内総合版より）