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お知らせ  2025.03.26

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アートと社会の連携 県芸大が組織設立へ

 県立芸術大(長久手市)は2025年度、地域や企業などと連携を担う法人組織を設立する。美術や音楽を中心とした芸術表現の視点を、地域や企業の課題解決やイノベーション、芸術活動のすそ野の拡大に役立てる。

 名称は「VAUA」(仮称)。同大の白河宗利学長によると、従来、芸術系大学は、教育内容の差別化が難しいといわれてきた。白河学長は「個性を発揮するためには社会とのつながり方がますます重要になる」と話す。

 他の国公立の美術大や芸術大では、秋田公立美術大(秋田市)が18年に社会連携を目的としたNPOを学外に設立。指定管理者として地元文化施設の運営などを担うなど、地域との連携に力を入れている。

 VAUAは、企業や自治体から委託を受けた文化活動や商品開発に乗り出す。以前から地域で取り組んできた病院や医療施設での演奏会、文化財の保存修復事業などの窓口も担う。また、学生や教員が個々で取り組んでいた展覧会や演奏会などの芸術活動の発信や、ラーニング(教育)やレッスンの企画、講師の仲介もする。

 今年10月には準備室を設置し、25年度中に法人の設立を目指す。設立資金は、外部からの寄付などでまかなう計画という。スタッフには芸術活動を続ける卒業生などを雇用することで、将来的に文化芸術に関わる人材の育成にも役立てる。

 白河学長は「アートと社会をつなげることで、企業や自治体、社会の抱えるさまざまな課題解決につながればいい。いずれは自立して運営できる形態を目指したい」と期待を込める。(宮崎正嗣)

(2025年3月26日 中日新聞朝刊県内版より)

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