愛知大学野球秋季リーグで優勝し、喜ぶ名城大・野口（中央）ら名城大ナイン＝豊田市運動公園野球場で（今泉慶太撮影）

（１６日・豊田）
　名城大が２季連続１３度目の優勝を果たし、初の春秋連覇を達成した。２回までに５点をリードすると、投手２人の継投で４失点に抑えて愛院大に６－４で逃げ切った。敗れた愛院大は最下位が確定。２部では優勝決定戦第２戦が行われ、愛大が星城大に連勝して優勝を決めた。１部２部入れ替え戦は愛院大と愛大の対戦となった。

■野口がけん引

　創部７３年の歴史に新たな１ページを加えた。最終週までもつれ込んだ三つどもえの優勝争いを名城大が制し、１３度目のリーグ優勝を決めた。秋春連覇はあっても春秋連覇は初めての快挙。その立役者となったのが今秋のドラフト候補に挙がる野口泰司捕手（４年・栄徳）だった。

　「連覇を目指してやってきた。でもまだここからがスタートラインなので全国で優勝して監督を胴上げしたい」

■一時自力Ｖ消滅

　春王者として臨んだ今季は中京大戦で２敗し、第２週で早くも勝ち点を落とした。５カード中３度は初戦黒星。「土曜日に弱い」ともやゆされたが、負けを引きずらない粘り強い戦いで勝ち点を積み上げた。自力優勝の可能性が一時は消滅したものの逆転優勝で連覇を果たした。

■元竜戦士指導

　野口は「４番・捕手」で全１３試合でフル出場。扇の要として投手陣を引っ張るだけでなく、打率３割１分９厘、３本塁打と強打をみせた。それでも「自分の結果も大事だけどチームを勝たせる捕手になるのが一番大事」とフォア・ザ・チームの精神を忘れない。元中日の山内、森越両コーチから教わった投手への声掛けの仕方や打者心理を生かし、結果につなげた。

　「名城大に育ててもらった恩返しがしたかった」と春秋連覇に自然と口元は緩む。安江均監督（６２）も「大きく成長してくれた。リーダーとして勝ちに向かっていく姿勢、責任感を感じる」と頼れる攻守の要の姿に目を細めた。

■２０日ドラフト

　２０日に迫るドラフト会議を前に「勝てる捕手」として最高のアピール。明治神宮大会出場が懸かる東海地区・北陸・愛知３大学連盟代表王座決定戦でも、名城大の“孝行息子”がチームの中心となる。　（谷大平）

■１０打点マーク

伊藤勝負強さ発揮

　名城大の昨季ＭＶＰ男・伊藤雄は勝負強い打撃で連覇に貢献した。春は打率（６割３分６厘）、シーズン最多安打（２８安打）、連続打数安打（９打数）の３部門でリーグ新記録を樹立。今季は打率は２割６分台ながら、１５日にサヨナラ打を放つなどチームトップの１０打点をマークした。「苦しいシーズンだったけど、つないでもらった好機で何とか走者をかえそうと思っていた」と振り返った。

▽２回戦（１勝１敗）
中京大　０００１４００００｜５
愛知東邦大　１０００３００００｜４
（京）清水、三浦、磯貝－牧山
（邦）上田、宮川、岩橋、瓜生、池田、富田－松吉
本塁打　岡田２（京）

▽同（名城大２勝）
名城大　１４００１００００｜６
愛院大　００３００００１０｜４
（城）岩井俊、真田－野口
（院）渡辺蒼、石原、河野優、河村－三島有
本塁打　河田（城）、三島有（院）

（2022年10月17日　中日スポーツ7面より）