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お知らせ  2021.11.27

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VRで施設見学 コロナ感染拡大を回避 鈴鹿医療科学大

医療機関を見学する代わりに、現地のVR画像をゴーグルで視聴する学生たち=鈴鹿市の鈴鹿医療科学大で

医療機関を見学する代わりに、現地のVR画像をゴーグルで視聴する学生たち=鈴鹿市の鈴鹿医療科学大で

■来年度からの実習に思いはせ

 鈴鹿市の鈴鹿医療科学大で26日、バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)の技術で医療機関などを見学する初めての授業があった。全方位カメラで撮った現地画像を専用ゴーグルで視聴することで、新型コロナウイルスの感染拡大を回避する。作業療法士を目指す1年生38人が受け、来年度以降に予定される実習に向けてイメージを膨らませた。(片山健生)

■専用ゴーグルで視聴

 リハビリテーション学科作業療法学専攻では毎年、1年生が1、2カ所の医療機関や福祉施設へ「早期体験実習」と称し、見学に出向いている。二手に分かれてもそれぞれ20人程度の集団となるため、コロナ禍の昨年度は施設側の意向で実施できず、施設がホームページで公開した写真を見るにとどまった。本年度も見学は難しいため、VR技術を活用することにした。

 VR見学は、現場の画像をユーチューブのVRアプリに上げ、再生用スマートフォンを専用ゴーグルに取り付けて視聴する。顔の向きに合わせて画像もスライドするため、臨場感が味わえる。研究活動にVRを取り入れている同専攻の野口佑太助教が同大付属桜の森病院(鈴鹿市)、鈴鹿厚生病院(同)、小山田記念温泉病院(四日市市)の協力で、現地各所の画像を撮影。画像が一定のテンポで切り替わる6分の番組を、施設ごとに用意した。

 授業では学生が2人1組となり、交代で専用ゴーグルを使用。再生機となる自分のスマホを取り付け、半数ずつ一斉に視聴した。

 番組再生に合わせて野口助教が解説を挟んだ。精神障害がある患者を受け入れる鈴鹿厚生病院の番組では、和室が登場すると「(患者が)お茶を飲んだりしてくつろぐ場所。心と体を休ませることは大切な作業です」と指摘。リハビリの一環で行う陶芸の部屋では「後ろにもたくさんの作品があります」と述べると、学生らがゴーグル姿で背後に顔を向けた。

 野口助教は「VRなら限られた時間でより多くの施設が見学でき、映像を見に行くため主体的に取り組める」と利点を強調。「視聴時の酔いを避けるため、より鮮明な画像に改良していきたい」と話した。

 2年時に始まる実習は少人数のため、コロナ禍でも感染対策を徹底しながら実施されている。授業を受けた北沢翔天(しょうま)さん(19)は「作業療法士の職場をVRで見ることができ、実感が湧いた。不安だった実習にもスムーズに入れそう」と話していた。

(2021年11月27日 中日新聞朝刊鈴鹿亀山版より)

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