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スポーツ  2021.11.01

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全日本大学女子駅伝 名城大独走 史上2校目 V5

胴上げされる名城大の増渕。5連覇を果たした=仙台市で

胴上げされる名城大の増渕。5連覇を果たした=仙台市で

 全日本大学女子駅伝は31日、弘進ゴムアスリートパーク仙台から仙台市役所前までの6区間、38.1キロで行われ、名城大が2時間2分59秒で史上2校目の大会5連覇を達成した。1区の山本有真(3年・光ケ丘女子)がトップでたすきをつなぎ、早々と独走態勢を築く盤石の優勝だった。

■一区から一度もトップ譲らず

 勝負はスタートから6キロで決まった。集団で力を温存していた名城大の山本が満を持してスパート。先頭に立つと、後続をぐんぐん引き離す。ライバル校は王者を慌てさせようと準エース級を1区に投入したが、逆にリードを奪う展開に。山本は「1区の役割を果たせた」と胸を張った。

 米田勝朗監督は「1区がポイントだった。あの走りで勢いに乗った」と振り返る。全6区間のうち5人が区間賞(区間新3を含む)。2区以降は独走態勢のまま一度もトップを譲らない圧倒的な強さでの5連覇だった。

 この1年間、チームは鉄壁を誇ったわけではない。年明けからは主力メンバーの山本が「もう走らなくてもいいかなと思った」とモチベーション低下で2カ月余り離脱。今季限りで第一線を退くと決めた1500メートルの元日本王者・高松智美ムセンビ(4年・大阪薫英女学院)は夏場に入っても本調子には程遠かった。

 「昨年までの4連覇には加世田梨花(現ダイハツ)という軸がいた。チームは大きく変わった」と米田監督。絶対エースが卒業し、過渡期に直面していた。しかし、駅伝という共通目標がチームを1つにした。

 「優勝のために必要な選手になろうと気持ちを切り替えた」という高松が調子を上げ、2区で驚異的な区間新。4区で区間新を記録した谷本七星(1年・舟入)のような新戦力もしっかり台頭して、分厚い選手層を今年もつくりあげた。

 谷本は「私が4年生になるころ、順調なら8連覇。すごい偉業だが、そこを目指す」。黄金期は新たなサイクルに入り、まだまだ終わりは見えない。

 (木村尚公)

■主将の肩書が奮い立たせた 3区・和田

 常勝軍団の重圧から解き放たれた主将の和田有菜(4年・長野東)は「日本一の主将になる思いでこの1年やってきた。ホッとしました」と喜びに浸った。8月下旬に右足甲を痛めて1カ月近く練習ができないという試練に見舞われたが、「主将という肩書が自分を奮い立たせてくれた」と奮起。3区で区間賞の快走をみせて、優勝の原動力になった。

■5区で6人抜き 拓大1年・不破

 拓大の1年生・不破が、エース区間の5区で従来の記録を1分14秒更新する区間新記録を樹立。6人抜きでチームを過去最高の3位に押し上げた。目標タイムだった29分10秒を大きく上回り、「まさかという感じ。びっくりしました」。1万メートルで来年の世界選手権出場を目指しており、「自信になりました」と胸を張った。

【区間1位記録】
▽1区(6.6キロ)山本 有真(名城大)21分48秒
▽2区(3.9キロ)高松智美ムセンビ(名城大)12分1秒=区間新
▽3区(6.9キロ)和田 有菜(名城大)21分51秒
▽4区(4.8キロ)谷本 七星(名城大)15分37秒=区間新
▽5区(9.2キロ)不破聖衣来(拓 大)28分0秒=区間新
▽6区(6.7キロ)増渕 祐香(名城大)22分14秒=区間新

◇全日本大学女子駅伝◇
(1)名城大2時間2分59秒(山本、高松、和田、谷本、小林、増渕)
(2)大東大2時間5分35秒
(3)拓大2時間6分23秒
(4)立命大2時間6分30秒
(5)日体大2時間6分56秒
(6)大阪学院大2時間7分7秒
(7)城西大2時間7分10秒
(8)松山大2時間7分18秒

(2021年11月1日 中日スポーツ7面より)

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