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お知らせ 2021.03.07
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点字ブロックの観光音声案内 普及へ健常者も使って 金沢市役所などでアプリ体験会
点字ブロックにスマートフォンをかざすと、地図情報などの音声案内を聞くことができるアプリの体験会が6日、一般向けに初めて金沢市役所や周辺で開かれた。アプリは金沢工業大(野々市市)が2018年から開発しており、体験会参加者の声も踏まえて改良や普及を目指す。 (西浦梓司)
「前方は金沢市役所方面です」。丸や三角の印が付いた足元の点字ブロックをスマートフォンのカメラで読み取ると、地図や観光の情報が音声で紹介される。印は、点字ブロックの分岐点などを示す「警告ブロック」の上に、同大と金沢市が共同で設置。市役所の玄関、市道や県道の歩道などでアプリを使用できる。
体験会には、同市柿木畠にある飲食店などの9店が協力。各店の入り口前に印付きの点字ブロックを整備した。読み取ると店の紹介も聞くことができる。
視覚障害者や健常者約30人が参加。県視覚障害者協会理事長で、視覚障害のある米島芳文さん(68)も実際に試した。「日常生活ではお店の玄関が分からなかったり、間違えて隣の店に入ってしまうことがあるので、このアプリがあれば安心できる」と評価。一方、全盲の人にとっては、スマホで読み取れる点字ブロックを見つけるのが難しいといった課題も指摘した。
アプリには、画像認識などの人工知能(AI)を使用。音声は現在、日本語と英語に対応しているが、新型コロナウイルスの感染収束後に観光での利用が増えるとみて、多言語での対応も目指す。
アプリ開発を率いる同大情報工学科の松井くにお教授(63)は「点字ブロックが全ての人にとっての情報インフラになれば、ブロックの上に自転車を止めたりする人も少なくなるはず。改良を加え、自治体と協力して普及を目指したい」と話した。印付きの点字ブロックも今後、増設する。
アプリは米アップル、グーグルの配信サービスから無料でダウンロードできる。
(2021年3月7日 北陸中日新聞朝刊金沢総合版より)
「前方は金沢市役所方面です」。丸や三角の印が付いた足元の点字ブロックをスマートフォンのカメラで読み取ると、地図や観光の情報が音声で紹介される。印は、点字ブロックの分岐点などを示す「警告ブロック」の上に、同大と金沢市が共同で設置。市役所の玄関、市道や県道の歩道などでアプリを使用できる。
体験会には、同市柿木畠にある飲食店などの9店が協力。各店の入り口前に印付きの点字ブロックを整備した。読み取ると店の紹介も聞くことができる。
視覚障害者や健常者約30人が参加。県視覚障害者協会理事長で、視覚障害のある米島芳文さん(68)も実際に試した。「日常生活ではお店の玄関が分からなかったり、間違えて隣の店に入ってしまうことがあるので、このアプリがあれば安心できる」と評価。一方、全盲の人にとっては、スマホで読み取れる点字ブロックを見つけるのが難しいといった課題も指摘した。
アプリには、画像認識などの人工知能(AI)を使用。音声は現在、日本語と英語に対応しているが、新型コロナウイルスの感染収束後に観光での利用が増えるとみて、多言語での対応も目指す。
アプリ開発を率いる同大情報工学科の松井くにお教授(63)は「点字ブロックが全ての人にとっての情報インフラになれば、ブロックの上に自転車を止めたりする人も少なくなるはず。改良を加え、自治体と協力して普及を目指したい」と話した。印付きの点字ブロックも今後、増設する。
アプリは米アップル、グーグルの配信サービスから無料でダウンロードできる。
(2021年3月7日 北陸中日新聞朝刊金沢総合版より)