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お知らせ  2021.01.30

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点字ブロックが観光案内 スマホかざせば音声と文字 金沢工大アプリ 市中心部で運用開始

柿木畠の飲食店前に設置した点字ブロックにスマホをかざす松井教授=金沢市で

柿木畠の飲食店前に設置した点字ブロックにスマホをかざす松井教授=金沢市で

 点字ブロックを使って周辺施設に音声誘導するスマートフォン向けアプリの提供を金沢工業大(石川県野々市市)が始めた。対象エリアは金沢市中心部で、スマホのカメラをかざすと人工知能(AI)が点字ブロック上にしるしたコードを認識し、施設の概要や方角を案内してくれる。視覚障害者の支援をはじめ、観光客向けのガイドとして普及を目指していく。 (高本容平)

 コード化した点字ブロックがあるのは市中心部の55カ所。金沢21世紀美術館や石川県立美術館周辺をはじめ、新たな観光スポットとして注目される国立工芸館周辺、近くの柿木畠の飲食店と生花店計10店舗の前に敷設した。

 アプリを立ち上げカメラで読み取ると「前方は(金沢)ふるさと偉人館、金沢歌劇座前交差点方面です。右は柿木畠方面です」などと音声案内が流れ、画面上にも文字で表示。店の前では「看板商品はどら焼きです。控えめな甘さとふわふわな生地が評判です」といった紹介が聞ける。

 開発したのは金沢工大の松井くにお教授(63)=情報工学。ブロックの点に着色してその配列をコード化し、個別の施設情報をひも付けた。施設の方角を示す三角形のコードもしるしてあり、AIはこの組み合わせを識別する。視覚障害者が立ち止まってスマホを向けられるよう、横断歩道や階段前などにある「警告ブロック」に施した。

 松井教授は「視覚障害者の自発的な歩行を支えたい」と、2018年に開発に着手。市の市民生活AI技術等促進事業に採択され、19、20年にJR金沢駅と金沢21世紀美術館周辺で実証実験を行った。実際に視覚障害者に使ってもらい、機能を磨き上げた。

 現在、長野県塩尻市、東京都内の百貨店とも導入に向けた調整を進めている。外国語対応にし、訪日観光客も使えるようにする計画もある。松井教授は「将来的には個人がコードの配置の権利を買い、自分で情報を入れて設置できるようになれば。より多くの人に知ってもらい、全国各地に広げたい」と構想を膨らませる。

(2021年1月30日 北陸中日新聞朝刊7面より)

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