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お知らせ  2021.01.26

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ウェブ会議 視線ばっちり 金沢工大助教 システム開発 正面撮影したかのように

ウェブ会議システムで目線が合わない違和感を解消する技術を開発した坂知樹さん=石川県白山市の金沢工業大やつかほリサーチキャンパスで

ウェブ会議システムで目線が合わない違和感を解消する技術を開発した坂知樹さん=石川県白山市の金沢工業大やつかほリサーチキャンパスで

 オンライン会議で相手の目を見ながら自然に会話ができる-。金沢工業大情報フロンティア学部の坂(さか)知樹助教(33)は、2台のカメラで撮影した画像を合成し、あたかも正面から撮影したように表示できる技術を開発した。新型コロナウイルスの感染拡大でウェブによる商談や面接が急速に広がる中、関連機器メーカーと実用化への協議を始めた。 (中平雄大)

 一般的なウェブ会議システムは撮影用のカメラが画面の外側に設置されており、画面上の相手の顔を見て話していても、視線がずれることで違和感を抱く人も少なくない。

 開発した技術は、画面の左右または上下に設置したカメラの撮影画像を立体的に認識し、2台の中間地点から見た画像を推定。画面中央の「仮想カメラ」が撮影したように映し出せる。証明写真機などの分野にも応用できるという。昨年12月に特許を出願した。

 コロナ禍で金沢工業大を含めた各地の大学ではオンライン講義が中心となっており、坂さんは「学生の反応を見ながら授業を進めたい場合に視線がずれるのが気になっていた。大事な場面でこそ、目と目を合わせた会話が必要」と話す。

 企業の採用試験でもオンライン面接を導入する例が増えており、金沢工業大は採用面接に臨む学生に画角や音量などの注意点に加え、カメラを見て話すよう指導しているという。同大の担当者は「面接は学生にとって勝負の場。ただでさえ緊張している学生にとって、気を使う部分を減らすことにつながれば」と新技術に期待を寄せている。

(2021年1月26日 北陸中日新聞朝刊富山社会版より)

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