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学生活動  2019.09.11

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創作ダンス 健闘全国4位 岡崎女子大・短大、「赤ずきん」を再解釈

赤ずきんをかぶるシーンを表現するダンス部のメンバー=岡崎市中町1の岡崎女子大で

赤ずきんをかぶるシーンを表現するダンス部のメンバー=岡崎市中町1の岡崎女子大で

 岡崎女子大・女子短期大(岡崎市中町1)のダンス部が、8月にあった「第32回全日本高校・大学ダンスフェスティバル」の大学創作コンクール部門で神戸市長賞(4位相当)に輝いた。体育大学などで創作ダンスを専門に学ぶ出場校が多い中、ひときわ異彩を放った。

 テーマは「ダークサイド-赤い頭巾の女の寓話(ぐうわ)」。シャルル・ペロー版「赤ずきん」の童話を自分たちなりに解釈し、アレンジした作品だ。「授業で扱った際、赤ずきんの『オオカミに襲われる、か弱い女性』というイメージ像に、果たして本当にそうだったのかと疑問が湧いたところから着想を得た」と4年生の団野桜部長(22)は話す。

 メンバーで話し合い、「危険があるのを知りながら意志を持ち、森に入った強い女性」「赤は目立つ上に魅力が際立つ色だと知りながら、あえて赤ずきんをかぶり、オオカミを操った女性」だったのでは-。したたかな面も含め、主体的な女性像として捉え直した。

 「赤は正義か災いか」というメッセージを込め、メンバー23人の身体全体でしなやかに力強く表現。5分半の演技の中で、赤ずきんの絵本の朗読を構成に取り入れたところも独創的であると評価された。

 「体育大でダンスを専門に学ぶ参加者が多い中、保育系の大学の部活が入賞するのは本当に珍しい」と話すのは、顧問の山田悠莉准教授(36)。自身も大学時代創作ダンスを学び、大会で上位入賞してきた経験がある。2009年に岡崎女子大に来てから、部を5位入賞に導くなどした。「今年のチームは素直さと共同性が優れている。ぴったり合わさった時のパフォーマンスは目を見張るものがある」と評価する。

 1つの作品を作るのにかかる期間はおよそ1年。テーマや構成の企画から始まり、衣装や小道具作りまで全て、23人のメンバーで担った。「衣装は布選びから裁縫までやるし、舞台背景の大道具の木工作業やペイントも分担する。これらを外注する大学も多い中、こんな出場校はなかなかないと思いますよ」と山田准教授は朗らかに笑う。

 学生らは保育士や幼稚園、小学校教諭になるための勉強や実習も忙しい。「授業後以外に授業前の朝練習2時間、昼休みの30分など、みんなで時間を捻出し練習してきた」と4年生の伴野結萌(ゆめ)副部長(21)は話す。「山田先生の厳しくも温かいご指導のおかげ」と感謝の気持ちも表した。(細谷真里)

(2019年9月11日 中日新聞朝刊東三河版より)

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