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学生活動  2019.02.28

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心ほっと 女子大生がカフェ 守山で西尾さん 100万円集め開店

カフェラテを出す西尾さん

カフェラテを出す西尾さん

 守山区の住宅街の片隅で夜、カフェを開く女子大学生がいる。かき集めた100万円でつくった自分の理想の店。「1日の疲れをここで取ってくれたらいいな」と、家路につく人たちの心まで温めるコーヒーを出している。(水越直哉)

 フォルクスワーゲンの小さなバスが店。守山区の西尾優里さん(21)=愛知大経営学部3年=が、昨年12月にオープンした「Yuricafe」だ。

 ネクタイ姿の男性からカフェラテの注文が入ると、紙のカップにペンで「寒い中、お疲れさまでした」と書き、ハートのラテアートを描いた。提供に少し時間はかかっても、客の顔を見て、その人のために心を込めて作るのが売り。

 幼いころからブラックコーヒーが好きだった西尾さん。「大人だね」と言われるのがうれしかった。各地のカフェへ味を確かめに行き、会員制交流サイト(SNS)で紹介するほどのカフェ好きだ。

 大学生になってアルバイト先に選んだのは大手コーヒーチェーン。店長の許可を得て、カップに絵や文字を入れると客は想像以上に喜んでくれた。別の店でも働いてみたがマニュアル通りの接客がなじまず、自分でカフェを始めようと決心した。

 資金は昨春、ネットを通じたクラウドファンディングで募集。大学で学んだ知識を生かして事業計画書をつくり、経営者や友人など300人以上に依頼。100人には直接会い「足を運んでくれたお客さんを笑顔にするカフェをつくりたい」と頭を下げた。募集期間最終日、寄付額が100万円に達した時は涙が出た。91人が協力してくれた。

 バスは、JR新守山駅から東へ歩いて5分の「ナビィのパン」の店先に置かれている。かわいらしい形に引かれ、店に頼んで使わせてもらっている。1日の客は10〜30人ほどで決して多くはないが、「人と話すのが好きなので、今はすごい幸せ。お客さんが自分の居場所と感じてくれたら」。

 1杯450円から。開くのは月、木、金曜の午後5時半〜9時、土曜、祝日は午前10時〜午後9時。

(2019年2月28日 中日新聞朝刊市民版より)

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