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2010.01.22
年50万人 アジアに集中 流行感染症素早く検出
■愛知医科大准教授ら 安価で確認容易
愛知医科大(愛知県長久手町)は21日、アジアの貧困地域で流行する感染症「内臓リーシュマニア症(VL症)」の病原体を迅速に検出する方法を、同大の伊藤誠准教授(57)=寄生虫学=らの研究グループが確立したと発表した。
VL症は、リーシュマニアという原虫が引き起こす。人の血を吸うサシチョウバエが媒介。高熱で死に至る場合もある。インドやバングラデシュ、ネパールに患者が集中。世界で年50万人が新たに感染し、世界保健機関(WHO)は14ある寄生虫、細菌感染症「顧みられない熱帯病」の一つとしている。
研究グループは遺伝子(DNA)を増殖させる「LAMP法」に着目。患者の血液から原虫のDNAだけを効率的に増殖させ、検出することに成功した。
伊藤准教授によると、同様の「PCR法」に比べ機材も安価で検査時間も短く、目で結果が確認できるなどの利点があるという。
現地ではこれまで、臓器や骨髄から注射で組織を取り、原虫そのものを顕微鏡で見つける検査法が行われてきた。この検査法は、設備の整った医療機関や医師が必要で、患者への危険もあった。
伊藤准教授は「早期発見で救える命が多くある。さらに感染源の発見にも有効だ」と話した。現地で新検査法を紹介するという。
(2010年1月22日 中日新聞朝刊3面より)
愛知医科大(愛知県長久手町)は21日、アジアの貧困地域で流行する感染症「内臓リーシュマニア症(VL症)」の病原体を迅速に検出する方法を、同大の伊藤誠准教授(57)=寄生虫学=らの研究グループが確立したと発表した。
VL症は、リーシュマニアという原虫が引き起こす。人の血を吸うサシチョウバエが媒介。高熱で死に至る場合もある。インドやバングラデシュ、ネパールに患者が集中。世界で年50万人が新たに感染し、世界保健機関(WHO)は14ある寄生虫、細菌感染症「顧みられない熱帯病」の一つとしている。
研究グループは遺伝子(DNA)を増殖させる「LAMP法」に着目。患者の血液から原虫のDNAだけを効率的に増殖させ、検出することに成功した。
伊藤准教授によると、同様の「PCR法」に比べ機材も安価で検査時間も短く、目で結果が確認できるなどの利点があるという。
現地ではこれまで、臓器や骨髄から注射で組織を取り、原虫そのものを顕微鏡で見つける検査法が行われてきた。この検査法は、設備の整った医療機関や医師が必要で、患者への危険もあった。
伊藤准教授は「早期発見で救える命が多くある。さらに感染源の発見にも有効だ」と話した。現地で新検査法を紹介するという。
(2010年1月22日 中日新聞朝刊3面より)