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2017.09.01

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アウトリーチ授業で協力 県芸大院と長久手市文化の家

 芸術をより社会に役立て普及させる狙いで、劇場ではなく学校や福祉施設といった日常的な場所に出向いてコンサートなどをする「アウトリーチ」。県立芸術大(長久手市)は今年から、同大の大学院生を対象にこの手法を教える授業を始めた。公共劇場と協力する全国でも珍しい取り組みという。(村松秀規)

 同市青少年児童センターで8月24日、絵本の読み聞かせ会があった。アウトリーチを授業で学んだ大学院1年犬飼裕哉さん(23)と了徳寺佳祐さん(23)の企画だ。

 単なる読み聞かせではなく、ピアノ演奏や場面に合わせた小道具を織り交ぜ、紙芝居風に上演。子どもら約30人に鑑賞の楽しさを伝えた。専門を生かし、了徳寺さんが作曲、犬飼さんが演奏した。

 同大は芸術を通して社会貢献ができる人材の育成を目指し、今年から大学院生を対象にアウトリーチの授業を開講。事例研究などを座学で学び、実際に学生がプログラムを企画して地域で披露する。

 授業には、長久手市文化の家が協力。文化の家は10年以上アウトリーチ事業に取り組んでおり、指導、企画の支援、実演の場の提供などをしている。

 企画を終えた了徳寺さんは「劇場での披露とは全然違った。場所を提供してくれたセンター職員との連携の重要性にも気付き、発見があった」と意義を話した。

 授業を担当する同大非常勤講師梶田美香さんは「この手法を学ぶことで社会や地域との関わり、コミュニケーション力が身に付けられ、企画立案の基本も学べて将来にも役立つ」と強調した。文化の家担当者は「芸術家は披露する『場』がなければ始まらない。次にどうつなげていくかが今後の課題」と話している。

(2017年9月1日 中日新聞朝刊なごや東版より)

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