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中日新聞掲載の大学記事

2017.07.02

相撲女子 全国制覇へ精進 愛院大1年の佐野さん

 愛知学院大(日進市)の相撲部に今年、歯学部1年の佐野清香さん(18)が入部した。県内で唯一の女子大生選手で、高校時代までに3回、全国優勝した本格派だ。男子部員と一緒に汗を流し、得意の押し相撲に磨きをかけている。 (森若奈)

 佐野さんは岡崎市出身。相撲を習っていた姉と兄の影響で5歳で競技を始めた。小学校、中学校時代は市相撲教室で稽古を重ねた。岡崎北高時代は、自宅に造った土俵で、トヨタ自動車相撲部関係者の指導を受けた。

 女子相撲は競技人口が少なく、多くは高校や大学に進学すると競技を離れる。佐野さんは「相撲をやめることは考えられなかった。相撲は生活の一部」と話す。現在は週6日、ほかの7人の部員と学内の土俵で稽古をする。身長153センチで、大会は50キロ未満の超軽量級に出場している。立ち合いで鋭くぶつかり押し切る形を得意とするが、最近は、出足のスピードだけでは勝てない場面も出てきた。

 5月に堺市で開かれた女子の全国大会の決勝では、同様に押し相撲を得意とする選手と対戦。相手に押し切られ、実力を出せないまま準優勝に終わった。

 相撲部コーチの安場淳雄さん(57)は「スピードは全国でもトップクラス。ただ、当たって前に出る相撲だけでは勝てない」とハッパを掛ける。佐野さんの練習相手で男子軽量級の2年磯和開さん(19)も「いろんな相撲を知り、技を使って相手に嫌われる相撲をしないと」と指摘する。

 相手にいなされたときに食らい付く力と技、土俵際の踏ん張りも身に付けようと、稽古に励む佐野さん。2日には、東京で開かれる全国学生女子相撲選手権大会に出場する。

 「土俵の上でどれだけ集中できるかが勝負。自分の力を出し切って、優勝を目指したい」と語った。

(2017年7月2日 中日新聞朝刊県内広域版より)
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