進学ナビ

HOME > 中日新聞掲載の大学記事 > 全て

中日新聞掲載の大学記事

2016.05.14

留学生ら 熊本にエール 名外大、被災地へ寄せ書き

 熊本地震の発生から14日で1カ月になるのを前に、名古屋外国語大(日進市岩崎町)の留学生が被災地に向けて寄せ書きをした。畳一畳ほどの大きさの越前和紙に「みなさんの生活がよくなるように願っていますよ」など心温まるメッセージが並ぶ。(日下浩樹)

 名外大に隣接する外国人留学生寮インターナショナルハウスには、米国や英国、中国など世界20カ国の55人の留学生が暮らす。留学生の多くは半年から1年の留学後、帰国する。

 そんな学生たちと交流を続けているのが、元職員の後藤郁子さん(73)=守山区。退職後も寮でイベントを企画するなどしている。後藤さんは大分県竹田市の出身。熊本地震の発生後、なじみのある熊本県阿蘇市の阿蘇神社の楼門などが崩落した映像をみてショックを受けた。地震のない国の留学生らも、熊本地震の報道に衝撃を受けている様子だった。

 後藤さんは寮の職員と相談し、留学生らに「被災地への思いや応援したいという気持ちを寄せ書きにしてみては」と提案。せっかく寄せ書きをするなら、と日本らしい越前和紙を用意し、留学生に自由にメッセージを書いてもらった。

 寄せ書きはほとんどが日本語で、きれいに書かれている。「皆のことを私たちはいつも心の中でかんがえています」「みんなで前進していきましょう!」などのメッセージが並ぶ。

 「皆の協力で、日常生活にもどれるようになってきますので元気を出してください!」と書いた同大3年のキャロライン・シェパードさん(20)=米国ノースカロライナ州出身=は「日本に来て地震を初めて体験し、びっくりした」という。「被災地の日常生活が早く戻ってほしい」と願った。

 寄せ書きは、後藤さんの友人で、熊本県南阿蘇村の避難所支援をしている竹田市職員に送り、避難所に張り出してもらう予定。後藤さんは「避難している人の体調が心配。無理をしないでほしい」と気遣った。

(2016年5月14日 中日新聞朝刊市民版より)
  • X

戻る < 一覧に戻る > 次へ