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中日新聞掲載の大学記事

2014.10.31

ボクシング 東洋太平洋ミニマム級 19歳田中 最速王座

 東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ12回戦が30日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者で19歳の同級1位田中恒成(畑中)が、同級王者の原隆二(大橋)に10回50秒でTKO勝ちし、日本のジム所属選手では最短の4戦目で東洋太平洋王座を奪取した。

 世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級王者の井上尚弥(大橋)ら4人が持つ5戦目を更新した。

 戦績は田中が4戦全勝(2KO)、24歳の原は初防衛に失敗し、19戦18勝(10KO)1敗となった。

■激しい打ち合い 10回連打で決着

 田中がスピードのあるパンチを立て続けにヒットさせ、小柄な原は頭をつけて回転のいい連打を返す。無敗の両者が序盤から激しく打ち合い、8回を終えた時点で発表された採点では1人のジャッジが1ポイント差で田中、あとの2人は同点だった。

 プロ4戦目の田中にとって、打ち合う展開は初めて。「接近戦の経験が少ないので、足りない部分を補おうと、この試合に向けて練習してきた」という成果が9回に出た。

 顔面を捉えた右アッパーで原をぐらつかせると「効いているぞ、と畑中会長に言われた。本当かな、と思ったけど前に出た」。10回に一気の連打で決着をつけた。同じ高校4冠を達成しプロでは18戦無敗を誇る原をスタミナでも技術でも上回った。

 次の5戦目で世界タイトルを奪えば、これも国内最速記録となる。畑中会長は「ぜひやりたい。王者の都合を聞いてからだけれど、来春か夏ぐらいまでには」と世界戦に挑戦させる考えを明かした。

 理想のボクシングを「強いな、速いな、見て面白いな、と思われるインパクトのある試合」と掲げた田中。実現すれば間違いなく大きなインパクトを与えるだろう、最速記録を懸けた世界挑戦に「相手が誰でも、これまでどおりに頑張りたい」。熱戦を終えたばかりで口にした冷静な受け答えが、秘める可能性の大きさを感じさせる。(海老名徳馬)

 ▽田中恒成(たなか・こうせい) 岐阜県多治見市生まれ。小学5年でボクシングを始め、岐阜・中京高では高校4冠を達成。2013年11月にプロデビューし、戦績は4戦4勝(2KO)。中京大1年。162センチ。

(2014年10月31日 中日新聞朝刊29面より)

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