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2014.07.25
平和を問う絵画展 春日井 29日から名芸大講師ら
名古屋芸術大(北名古屋市)の卒業生や学生、学外の美術家らによる「ピース・ナイン展」が29日から8月3日まで、春日井市鳥居松町の文化フォーラム春日井で開かれる。政府の集団的自衛権の行使容認の動きや、緊張が高まる国際情勢の中、それぞれの制作者が静かに深く、平和の意味を問い掛ける。(井上昇治)
ピース・ナイン展は、名古屋芸術大美術学部の非常勤講師で、3年前まで犬山市を拠点に活動していた長谷川直美さん(43)=大阪市北区=が中心となって、2007年から毎年、学内のギャラリーなどで開催してきた。
長谷川さんは米中枢同時テロから1年後の02年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービル跡地「グラウンド・ゼロ」を訪問。「平和は与えられるものではない。個人が深く関わらなければ守れない」との思いを強くした。
自分に何ができるかを模索する中で、第一次安倍内閣の07年、改憲につながる国民投票法が制定される動きをにらみながら、1回目を企画した。
昨秋、名古屋市名東区の「戦争と平和の資料館ピースあいち」で開かれた同展の巡回展を見た「春日井9条の会」の事務局長、細江幸右さん(72)=春日井市篠木町=が、若い世代が真剣に平和を考える展示内容に感銘を受けた。今回は、同会が毎年夏に同市内で開く「平和への祈り アート展」の一部として招いた。
18人が絵画など計30点を展示。幼子を抱きしめる母親をテーマにした小林憲明さん、美しい沖縄の海に基地の問題を重ねる河合昭さん、自衛隊員や外国軍兵士に1人の人間としてのまなざしを向ける酒井裕里さん、従軍体験を基に反戦を訴えた故水谷勇夫さんらの作品が並ぶ。
「展示を見て平和について考えてほしい」と細江さん。長谷川さんは「平和は1人1人の思いが集まってできている。皆さんの平和を願う気持ちが大きくなればうれしい」と話している。入場無料。
(2014年7月25日 中日新聞朝刊近郊版より)
ピース・ナイン展は、名古屋芸術大美術学部の非常勤講師で、3年前まで犬山市を拠点に活動していた長谷川直美さん(43)=大阪市北区=が中心となって、2007年から毎年、学内のギャラリーなどで開催してきた。
長谷川さんは米中枢同時テロから1年後の02年9月11日、ニューヨークの世界貿易センタービル跡地「グラウンド・ゼロ」を訪問。「平和は与えられるものではない。個人が深く関わらなければ守れない」との思いを強くした。
自分に何ができるかを模索する中で、第一次安倍内閣の07年、改憲につながる国民投票法が制定される動きをにらみながら、1回目を企画した。
昨秋、名古屋市名東区の「戦争と平和の資料館ピースあいち」で開かれた同展の巡回展を見た「春日井9条の会」の事務局長、細江幸右さん(72)=春日井市篠木町=が、若い世代が真剣に平和を考える展示内容に感銘を受けた。今回は、同会が毎年夏に同市内で開く「平和への祈り アート展」の一部として招いた。
18人が絵画など計30点を展示。幼子を抱きしめる母親をテーマにした小林憲明さん、美しい沖縄の海に基地の問題を重ねる河合昭さん、自衛隊員や外国軍兵士に1人の人間としてのまなざしを向ける酒井裕里さん、従軍体験を基に反戦を訴えた故水谷勇夫さんらの作品が並ぶ。
「展示を見て平和について考えてほしい」と細江さん。長谷川さんは「平和は1人1人の思いが集まってできている。皆さんの平和を願う気持ちが大きくなればうれしい」と話している。入場無料。
(2014年7月25日 中日新聞朝刊近郊版より)