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中日新聞掲載の大学記事

2013.11.21

五輪アーチェリー「銅」監督が講演 「勝利 選手自ら考える習慣を」

 昨年のロンドン五輪アーチェリー日本代表監督で、女子団体を銅メダルに導いた愛知産業大(岡崎市)の新海輝夫教授(57)が20日、名古屋市内で講演した。団体メンバーの蟹江美貴選手(24)=ミキハウス、岡崎市出身=も同席し、新海教授は愛産大三河高校で蟹江選手を指導した経験などを披露し「教えすぎない。生徒を伸ばすためには生徒たちに判断させることが大事」と語った。(柘植万里那)

 講演のテーマは「選手の自立と育成の模索」。県高校体育連盟などが主催し、県内の部活動の指導者を対象に開かれた。

 新海教授は、愛産大三河高でアーチェリー部を創部した際に「オリンピックに行こう」と勧誘したエピソードを紹介し、「目標を高く持つことは大事なこと」と指摘。

 20年間にわたる同校での指導では「選手自らが、どうすれば勝てるのかを考える習慣を身につけさせるようにした」と話し、自立した選手を育てることを重視したと強調した。

 指導した蟹江選手については「非常に素直で我慢強い性格」と語り、それを聞いていた蟹江選手は「高校時代の練習は厳しかったが、力になった」と笑顔を見せながら振り返った。

 つらかった体験を新海教授に尋ねられた蟹江選手は「ロンドン五輪後、目標を見失った自分に次のリオ五輪を期待する周囲の声援がプレッシャーだった」と心境を吐露。

 一時はアーチェリーから距離を置いたが今春から練習を再開し、10月の全日本選手権で優勝した。蟹江選手は「今でも分からなくなると、新海先生に聞きに行く」とも打ち明け、恩師との信頼関係の深さをのぞかせた。

(2013年11月21日 中日新聞朝刊県内総合版より)
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