愛院大が中部大に５−１で快勝して対戦成績をタイに戻し、中部大の優勝を阻止。優勝決定は来週以降に持ち込まれた。愛院大は４回に笹田崇斗中堅手（４年・西条）の左翼線適時二塁打で２−１と逆転、その後も着実に加点。小川優投手（２年・東濃実）が、４安打１失点で完投勝利を飾った。３回戦は１３日正午から、愛知県日進市の名城大グラウンドで行われる。愛産大は名城大に３−１で勝ち、連勝で勝ち点を２にした。名城大は２部との入れ替え戦出場が決まった。

負ければＶ逸…これぞエースの姿

　がけっぷちで愛院大が踏ん張った。最後の打者を遊飛に打ち取ると、マウンドで小川がポンとグラブをたたいて喜びを表した。田中洋監督（３８）は「春に続いて２度も目の前で胴上げを見せられることだけは避けたかった」と、ほっとした笑顔を浮かべた。

　「頂上決戦」の初戦を落とし、絶体絶命の危機に追い込まれた愛院大。試合前のシートノックから、負けられない気迫がみなぎった。先制される嫌な雰囲気も、４回に主将の本田、笹田の４年生２人の適時打で逆転してはねのけた。８回にも２点適時打を放ち、奮起した本田は「大学最後の年をこのまま終われないと必死だった。前日に負けた後も、まだ明日があるぞ、と前を向いて一致団結した」と胸を張った。

　マウンドには不動のエース小川が君臨。今季は不調が続いたが、先週の中京大戦で今季初勝利を完封で飾り復活。１１日は救援でサヨナラ負けを喫したが、「打ち取れている感じはあった。自分の力を出せば勝てる」と、すっかりエースの貫禄（かんろく）を取り戻し、堂々とした投球で２勝目を挙げた。

　中部大の優勝を阻止しただけではなく、逆転優勝へ弾みがつく大きな１勝だ。１３日も勝って勝ち点を取れば、今季初の単独首位に浮上する。今季は２回、カードの初戦を落としてから連勝で勝ち点を取っている「逆襲の愛院大」だが、今回も、そのパターンにはまってきた。「きっちり春のお返しをしたい」と、本田は中部大からの勝ち点奪取に意気込む。愛院大に覇権奪回ロードがしっかり見えてきた。　（田中一正）

３回戦へ気合中部大・善久監督

　春秋連覇を一気に決められなかった中部大・善久監督は「残念だけど、そう簡単にはいかない」と苦笑い。先発した２年の石川は４回に球が浮いたところを愛院大打線に狙われ、逆転を許した。「本当は完投してほしかったけど、スタミナがないし、まだ課題がある」と落胆。「愛院大の打撃はしぶとく、こちらのミスも絡む。そのあたりを引き締めないと」と３回戦に向け、気合を入れ直した。

◇野球　愛知大学リーグ（１２日・瑞穂）

▽２回戦（愛産大２勝）
　愛産大　０００１２００００―３
　名城大　０１０００００００―１

▽２回戦（１勝１敗）
　中部大　０００１０００００―１
　愛院大　０００２１００２ｘ―５

（2008年10月13日　中日スポーツ12面より）