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中日新聞掲載の大学記事

2013.06.01

日本一の歓喜 後輩にも 名城大女子駅伝部・中尾コーチ

 母校に、初の女性コーチとして戻ってきた。今春就任した名城大女子駅伝部の中尾真理子コーチ(28)は、日本一の歓喜を後輩にも味わってもらおうと日々声をからす。

 2005年の全日本大学女子駅伝初優勝メンバー。昨季、実業団の資生堂で現役生活を終えた。中尾さんは入学した03年を思い出す。チームは前年の全日本駅伝で過去最高の2位と上げ潮に乗っていた。「優勝だけを見ていた。『次こそは』って」。3年時に悲願を果たした。だが、その後名城大の戴冠はないばかりか、昨年は7位に敗れ、12年握り続けたシード権を失った。

 米田勝朗監督が期待するのは、勝利をもぎ取る根性を選手に伝えること。初優勝時、中尾さんは左太ももの骨折明けだった。疲労骨折を押して夏のユニバーシアード大会に出場し、症状が悪化。一時は歩けないほどだったが、懸命の回復で3カ月後、全日本駅伝の1区に名を連ねた。区間15位と本来の走りはできなかったものの、大けがを乗り越えての力走にチームメートが奮起し逆転優勝。「中尾抜きのオーダーはありえない」と、一丸になった結果だった。

 宮崎・小林高では3年連続で全国高校駅伝に出場したが2桁順位止まり。大学時代に大きく成長したからこそ、昨季まで競技を続けられた。「自分がやってきたことしか選手には伝えられないけど、恩返しができれば」。サングラスの奥に優しいまなざしを秘め、最強軍団の再建に尽力する。(斎藤正和)

(2013年6月1日 中日新聞朝刊27面より)
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