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中日新聞掲載の大学記事

2013.03.26

萩原が導く 愛院大 7季連続V 愛知大学野球春季リーグ 来月6日開幕

 愛知大学野球連盟は25日、春季リーグ戦(中日スポーツ後援)の日程を発表した。4月6日に瑞穂球場で開幕し、5月下旬まで開催される。7季連続優勝を狙う愛院大は、プロ注目の萩原大起投手(4年・常葉学園菊川)がエースとしてチームを引っ張る。愛院大は開幕週で愛産大と対戦する。

■頼りになる存在

 愛院大には頼りになるエースがいる。主力が卒業した野手陣は大幅に入れ替わったが、投手陣の顔触れに変動はなし。その経験豊富な投手陣を引っ張るのが萩原だ。

 「オープン戦を重ねて、野手陣も良くなってきているけど、今年は守って勝つスタイル。不安はあるけど、楽しみの方が大きい」と萩原。

 1年秋に初先発で初勝利を挙げてから、積み重ねた勝利数は12。特に昨年は春に5勝、秋に4勝とエースの責任を果たした。だが、心残りもある。楽天入りした154キロ右腕・則本がエースだった三重中京大に王座決定戦で敗れ、明治神宮大会出場を逃したことだ。

■食トレで体重増

 「三重中京大戦は勝てる試合だった。あんなに早く新チームになるとは思わなかった」。雪辱を期して、オフは徹底した走り込みを敢行。2時間近く走り続けたこともあり、「大学に入ってから一番走った」と振り返る。また「食トレ」と称し、夕食に800グラムの米を平らげることをノルマに。体重は一時、82キロから86キロまで増え、「球は重くなった気がする」と手応えをつかんでいる。

■カーブに再挑戦

 2月上旬の宮崎合宿では9日間で1000球ほど投げ込んだ。さらに新球種としてカーブに再挑戦。これまで何度か取り組んでは「感覚的にダメ」と断念してきたが、「遅い球が欲しかった」と萩原。「これまで指先で曲げようとしていたけど、体全体を使って球を抜くことを覚えた」と実戦で使えるめどが立った。

 最終学年となった今年はプロ入りが懸かる重要な1年。「プロに行けるなら行きたい。でも、上に行くには結果が大事。まずは春」と先を見ることはない。「全日本大学選手権に出て、チームとしても個人としてもアピールしたい」。そのためにも7季連続優勝が当面のターゲットとなる。(麻生和男)

【展望】投手陣に厚みのある愛院大が一歩リード

 戦力は拮抗(きっこう)しているが、投手陣に厚みのある愛院大が一歩リードしている。プロ注目の萩原、昨秋最優秀防御率の左腕・波多野に加え、辻、原崎らリリーフ陣も豊富。打線は大幅に入れ替わったが、1年生が頭角を現すなど大きな戦力ダウンとはならないだろう。24歳の梶原康之新監督の采配にも注目が集まる。

 昨秋2位の名商大は昨年から主戦格だった大野裕、森本の両右腕を計算できるのが強みだ。3位の愛大は強打の4番・松本道が打線を引っ張り、4位の名城大は左腕・森田の安定感が光る。

 5位の中部大はコーチだった堀田氏が監督に就任。1、2年時からクリーンアップを打ってきた村瀬、辻が4年となり、打線には厚みがある。昨秋入れ替え戦に回った6位の愛産大は、絶対的存在だった主戦・湧川が卒業。新エースとなった右腕・平井の出来と、2番手以降の投手の成長が浮沈の鍵を握る。

▼萩原大起(はぎわら・だいき) 1991(平成3)年11月25日、静岡県掛川市生まれの21歳。180センチ、85キロ、右投げ右打ち。掛川東中では軟式野球部に所属し、3年夏に県大会と東海大会で優勝して全国大会を経験。常葉学園菊川高では2年時に1年先輩の左腕・戸狩(現ヤマハ)の控え投手として、春のセンバツ、夏の甲子園(準優勝)に出場。夏の甲子園では3試合に登板した。最後の夏は静岡大会準々決勝で島田商に敗退。愛院大では1年春からリーグ戦に登板。3年時からエースとなり、昨春の全日本大学選手権では上武大戦で完投勝利し、8強入りに貢献した。

(2013年3月26日 中日スポーツ11面より)
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