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中日新聞掲載の大学記事

2012.11.06

愛知大学野球 3連投で愛産大1部残留!中京大に逆転勝ち

■投げ抜いた 湧川 21イニング 312球

 愛産大(1部最下位)が中京大(2部代表)に3−2で競り勝ち、2勝1敗で1部残留を決めた。愛産大は1点を追う6回に敵失で3点を奪って逆転。3日連続先発登板のエース・湧川雄貴投手(4年・中部商)が完投でリードを守りきった。中京大は2010年春以来の1部復帰を逃した。

■粘り強く2失点完投

 こん身の直球で詰まらせた。1点リードの9回2死二塁。同点のピンチで、3連投の湧川が中京大の金田を遊ゴロに打ち取った。3日間で21イニング、312球を投げ抜き、1部残留が決定。鬼気迫るエースの表情がようやく緩んだ。「気持ちしかなかった。疲れはあったけど関係ない。勝って終わりたかった」と湧川。試合後はベンチ前で声を上げ、仲間と喜び合った。

 2回に失策絡みで1点を先制されたが、粘って好機を待った。そして6回。1死満塁で5番・松尾の遊ゴロを、併殺を狙った中京大の遊撃・山中が二塁へ悪送球。3人の走者が本塁を駆け抜け、一気に逆転した。

■第2戦3イニング降板

 「3安打しか打てなかったので、ミスから取れたのは大きかった」と青山正克監督(41)。その後はエースが本領発揮。湧川は第1戦で1失点完投し、第2戦も先発したが3イニング2失点で降板。勝負の第3戦は「きょうは代えないぞ」と送り出した監督の期待に応え、真っ向勝負でリードを守り切った。

■入学時には2部

 今秋にやっとつかんだ1部の座。4年生には特別な思いもあった。4年生が高校3年だった4年前、愛産大は1部だった。だが、秋の入れ替え戦で敗れて2部に降格。「1部の愛産大」に進学するはずが、入学した時には2部だった。「(来年の)新入生に同じ思いをさせたくなかった」と西村主将。湧川も「やっと1部に上げたし、後輩にも1部でやらせたかった」と後輩を思う言葉を続けた。

■先輩の思い継ぐ

 来春は投打ともに主力がごっそりと抜ける。入れ替え戦3試合で5安打を放ち、新チームでは中心的存在となる二塁・松下は「全く違うチームになるけど4年生の思いをつなぎたい」、エース候補の3年生右腕・平井も「湧川さんを超える投手になりたい」とそれぞれ誓った。残留を決めてホッとするのもつかの間、すぐに来春に向けた戦いが始まる。 (麻生和男)

■失策で3点献上 山中主将悔し涙 中京大

 中京大は6季ぶりの1部昇格を逃した。2回に9番・岩田の二ゴロの間に先制点を挙げたが、6回に1死満塁のピンチで3年生主将の遊撃・山中の失策で3失点。その後1点差に詰め寄ったものの、届かなかった。

 半田監督は「初戦もミスで負けている。技術が足りない」と厳しい表情。高校時代は中京大中京高の主将として夏の甲子園優勝を経験している山中は「取り返しはつかないけど、これから返していきたい」と目を真っ赤にして再挑戦を誓った。

▽3回戦(愛産大2勝1敗)
愛産大(1部最下位) 000003000―3
中京大(2部代表) 010000010―2
(産)湧川−岸端
(京)清水、岡部−金田

(2012年11月6日 中日スポーツ9面より)
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