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中日新聞掲載の大学記事

2012.06.05

衛星搭載 X線望遠鏡完成 14年打ち上げ 未知物質に迫る 名大グループ

 宇宙航空研究開発機構(宇宙機構)が2014年に打ち上げる次期天文衛星「アストロH」に搭載される最先端エックス線望遠鏡を、名古屋大などのグループが完成させた。超巨大ブラックホールや超新星爆発の残骸から、未知の物質発見を目指す。

 望遠鏡の開発を手がけるのは、名大大学院理学研究科の国枝秀世教授や愛媛大大学院理工学研究科の粟木久光教授らのグループ。研究者ら10人が協力し、10年7月から2年弱で完成させた。

 望遠鏡は高さ50センチ、直径50センチの円筒形で、重さ70キロのアルミ製。高エネルギーのエックス線で宇宙の画像を捉える。

 アストロHはこの望遠鏡を含め、4種類の観測システムを駆使。05年に打ち上げられた最新の天文衛星「すざく」に比べ10〜100倍の高感度で観測する。

 完成した望遠鏡は兵庫県佐用町の大型放射光施設「スプリング8」での性能試験を経て、宇宙機構に運ばれる。アストロHには名大などのグループによる望遠鏡がもう1台積まれる。2台目は今年中の完成を予定している。

(2012年6月5日 中日新聞夕刊1面より)

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