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2011.12.31
名大構内で小水力発電 信州大開発 身近な活用法研究
自然エネルギーへの関心が高まる中、身近にある小さな水流で発電する「小水力発電」の装置が、名古屋市千種区の名古屋大東山キャンパスに設けられた。信州大(本部・長野県松本市)との共同研究で、落差1メートル弱の水流で、扇風機が回せる程度の30〜40ワットを発電する。蓄電池にため、災害時に携帯電話の充電に生かすなど活用法を探る。
装置は、信州大工学部(長野市)の池田敏彦教授(流体力学)が開発した小型水車。名大エコトピア科学研究所の内山知実教授(計算流体力学)が、キャンパスでくみ上げた井戸水などを流している「鏡ケ池」への放水口に11月設置した。出力を表示するパネルや白熱電球と発光ダイオード(LED)の2基の電灯にも接続し、池北東の歩道を照らすことに成功した。
小型水車は農業用水や里山の湧き水、小さな滝などで発電でき、池田教授は世帯・集落単位で小規模電力の「地産地消」を提案している。実証実験は主に長野県内で進めており、名大キャンパスのような市街地への設置例は少ない。池田教授は「街路灯の補助電源や電動自転車のバッテリー充電など、場所のニーズに応じた利用が広がる」と期待する。
共同研究では、実験で得られた数値を池田教授に伝え、水車の発電効率向上の研究に役立てる。名大は全学的に取り組むバイオマスや風力発電など、自然エネルギーによる学内スマートグリッド(次世代送電網)の構築につなげる考え。
年明けにも点灯式を行い、学内外の人が発電状態を確認できるようホームページも作る。内山教授は「発電量は小さいが、身近な水力は24時間利用できる。蓄電方法を工夫して、持続可能な仕組みにしていきたい」と話した。
(2011年12月31日 中日新聞朝刊2面より)
装置は、信州大工学部(長野市)の池田敏彦教授(流体力学)が開発した小型水車。名大エコトピア科学研究所の内山知実教授(計算流体力学)が、キャンパスでくみ上げた井戸水などを流している「鏡ケ池」への放水口に11月設置した。出力を表示するパネルや白熱電球と発光ダイオード(LED)の2基の電灯にも接続し、池北東の歩道を照らすことに成功した。
小型水車は農業用水や里山の湧き水、小さな滝などで発電でき、池田教授は世帯・集落単位で小規模電力の「地産地消」を提案している。実証実験は主に長野県内で進めており、名大キャンパスのような市街地への設置例は少ない。池田教授は「街路灯の補助電源や電動自転車のバッテリー充電など、場所のニーズに応じた利用が広がる」と期待する。
共同研究では、実験で得られた数値を池田教授に伝え、水車の発電効率向上の研究に役立てる。名大は全学的に取り組むバイオマスや風力発電など、自然エネルギーによる学内スマートグリッド(次世代送電網)の構築につなげる考え。
年明けにも点灯式を行い、学内外の人が発電状態を確認できるようホームページも作る。内山教授は「発電量は小さいが、身近な水力は24時間利用できる。蓄電方法を工夫して、持続可能な仕組みにしていきたい」と話した。
(2011年12月31日 中日新聞朝刊2面より)